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特別展 無冠の仏像—伊豆・静岡東部の無指定文化財 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

上原美術館



伊豆下田にある上原美術館の特別展「特別展 無冠の仏像—伊豆・静岡東部の無指定文化財」を見てきた。


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前回上原美術館を訪れたのは2018年12月の特別展「特別展 伊豆の平安仏」以来なので、4年ぶりになる。


近代館で絵画の特別展を見てから仏像がある仏教館へ移動。

入館すると多量の仏像が出迎えてくれた。

一番奥の部屋で行われている特別展に行くと、数人の入館者に学芸員のお姉さんが仏像の解説をしていた。

途中からだったが、学芸員さんの解説を聞きながら一つ一つの仏像を丹念に見た。


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驚くことに、今年新に発見されたものもあるらしく、静岡の色んなお寺から色んな仏像が集まっていた。

保存状態が悪い仏像も多かったが、松尾寺のトルソー(焼損仏)ではないが立っているだけで凄い迫力が伝わってきた。

俺は奈良や京都の仏像を中心に見ているが、今は見仏の寺としてスタンダードな京都の東寺の空海の立体曼荼羅にしても、平安時代から1965年までは秘仏で一般には公開されていなかった。

今回の上原美術館では、そういう選ばれし者だけが拝むことを許された仏像では無く、地域の人々と共に生きてきた仏像を見た気がした。

慶派の玉眼の繊細な鎌倉仏に慣れてから、東大寺の塑像の天平仏などを見ると仏像本来の印象が矯正されるのと同じで、静岡に埋もれている無指定文化財と対峙する事で人々の信仰の重さを感じた。


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「桃山時代の弾誓派の作仏聖」なんて始めて知った。

仏像はまだまだ奥が深いのだ。