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見えないつながり [日々のあれこれ]

不思議な縁




時々縁というのを考えさせられるときがある。

俺の場合、離婚した嫁とは縁が無かったんだと思うが、例えばバンドとかで知り合った相手と単なる偶然では無い繋がりみたいなのを感じる時がある。

・・・例えばこんな事があった。

今から10年以上前の話。

当時の俺が勤務していた職場に、新しくSさんが入ってきた。

Sさんは北陸出身で関西の優秀な大学を出て一流企業に入社し、主に海外のニューヨーク支店とかに勤務していたエリートだった。

職場の誰もがまだSさんの事を何も知らない時、俺はSさんの着ているワイシャツを見て驚いた。

それは俺の父親が着ていたワイシャツと同じに見えた・・・それはオーダーメイドのシャツで腕の上腕部にあたる位置に名前の刺繍が特徴だった。

そのワイシャツを作る紳士服店は、大阪北区にある俺の父親が勤務していた会社の地下にあった。

その地下街は地下鉄の駅と合体していて、駅の周辺は大きな企業がずらっと立ち並んでいて、その中には俺の妹が勤務していた会社も地下で繋がっていた・・・俺も大学時代は父の勤めていた会社で父の紹介でバイトをしていたので、一時期は父と俺と妹は同じ駅に通勤していた。

Sさんが、俺の勘通りにその地下鉄の駅から通う会社だとして、海外勤務がある総合商社となれば、真っ先に思い浮かぶのは妹が働いていた会社だったので、試しに聞いてみた。

俺「そのカッターシャツ、こんな所で着るには勿体ない高級品に見えますが、それって大阪の地下鉄○○線○○駅の地下街で作ったオーダーメイドですよね?」・・・ちなみにワイシャツは大阪では「カッターシャツ」と呼ぶ。

驚いたSさんは「何故それを知っているのですか?」と不思議そうな顔をして俺を見たので、「俺には霊能力があるから解るんですよ」とくわえタバコで適当な冗談を飛ばして笑った。

俺は「○○駅に通勤する会社で海外出張があるということは、Sさんは○○物産系列の○○に勤務されていたのですか?」と俺の妹が勤務していた会社の名前を出してみた。

それに関してSさんは肯定も否定もしなかったが、隠す事を諦めたのか「あの地下街にあったお好み焼き屋が美味しかったよね?」と言ってきたので「たしか、『ぼてぢゅう』という店だった」というとSさんは大きく頷きながら笑った・・・因みに、その後その駅周辺は再開発されたので、現在その地下街に「ぼてぢゅう」は無いと思う。

そんな事があって一気にSさんと親しくなったが、大阪のある一軒の紳士服のワイシャツを知る人間と東京の練馬で遭遇する確率って相当低いと思う。

その後仕事の勤務地が変わり、俺とSさんも所沢の職場に移動して・・・UFOを見た

この話は、何年も経ってから少しずつ記憶が蘇る不思議な出来事だった。

今もこの時のことを考えると凄く不思議で、俺とSさんが目撃した場所は自衛隊の入間基地や米軍横田基地などの航路が乱立している地域なので、詳しくは知らないが民間機は飛行禁止エリアだと思う。

Sさんは京都が好きで西京極から阪急線で通勤していたそうで、「京都でお勧めの寺は何処ですか?」と聞くと「季節によります」と答え、仏像にも詳しかった。

今回はSさんに絞り込んでみたが、俺の周囲にはSさんの様な単なる偶然とは思えない繋がりの人が多く、下手すれば前世からの縁なのか?と思う人もいる。

縁とは不思議なのだ。