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秋旅 信州 Vol.11 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

松本城[カメラ]


長野県松本市にある国宝松本城は数少ないオリジナルの城。

調べてみたところ、江戸時代以前に建設された天守で今も残っている城は弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城、12か所。

日本三名城を名乗っている名古屋城、大坂城、姫路城、熊本城でオリジナルなのは姫路城だけ。

オリジナルの五重の天守は松本城と姫路城だけで、数ある城の中でもこの2つの城は別格だと思う。

車を駐車場に入れ、松本城に向かう…

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遠くから一目見ただけでも凄く立派な城だという事は理解できた。

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天守の鯱鉾に鳶が留まってこちらを見下ろしていた。

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拝観料を払って、巨大な黒門を潜る…

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歴代の城主…

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外国人観光客の数が想像以上に多かった。

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真っ白な漆喰と黒漆塗りの下見板の、白と黒のコントラストが勇ましい!

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俺はため息をつきながら天守に向かって歩いた。

一体何の為に立っているのか判らない時代劇のコスプレの人。

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観光客の人混みの中に午前中、松代象山地下壕の中ですれ違った「幽霊」の姿を見つけ、Kに「あれは幽霊じゃないか?」と問いかけるとKも即座に幽霊だと同意した。

天守の中は急な階段の連続で、上る人と降りる人が階段ですれ違うので混んでいた。

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各階毎に色々展示されているのを見ながら、階段の行列に並んだ…

鎧が展示されていた

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古い鯱鉾が展示されていたが、間近に見ると大きかった。

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気がつくと、我々の前方に幽霊が歩いていた…地下壕ですれ違った時と同じ格好で、黒いレインコートをフードからスッポリ被っている。

暗い地下壕ですれ違った時は、真っ黒なレインコートに白い水滴に見えたが、黒地に白い斑点のデザインだった。

天守内は所々に扇風機があるだけでエアコンが無くて蒸し暑く、頭からレインコートのフードを被っていれば相当に熱いと思うが、幽霊は全身をレインコートで覆ったまま、1つ1つの展示物を丁寧に見ながら歩いていた。

俺たちは幽霊を追い越して先に進んだが、激混みの最上階で、今度は階段を下りる行列に長い時間並んでいたが、幽霊の姿は無かったので、途中で引き返したんだと思う。

天守の最上階は…例えば小田原城みたいに、正式名は判らないがベランダみたいな部分に出て下界を見下ろせるわけでは無く、ただ一番上の階に上っただけで鉄の編み目から外の景色は見えるが、それよりも蒸し暑い室内に外の空気が吹き込んでくる方が嬉しかった。

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ただの風がエアコンの冷房並に涼しくかんじたので、室内の温度は相当高かったと思う。

「最上階には特に何もありません」という張り紙があれば、恐らく半分以上の人は上らないと思う…そう思ってしまうほど、最上階にいた人達は期待していた何も無いこによる落胆の色が濃く見えた。

天守から出て再び駐車場に戻るとき、天守の上の鯱鉾を見ると余程そこが気に入っているのか、まだ鳶が留まったままだった。

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松本城でも、俺は可能な限りカメラのシャッターを押し続けて膨大な量の写真を撮りながら歩いている。

東京に戻った俺は、撮影した膨大な数の写真の中に、あの「幽霊」の姿が写っていないか探してみたら、偶然一枚だけ写っていた。

松本城の入場チケット販売所に向かう2人の女性の前をアップにすると…

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2人の前に、レインコート姿の「幽霊」がいる…

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曇っていたので背景の山々が見えないのが残念だったが、松本城は立派な城だった。

これからも守り続けたい、貴重な日本の財産だと痛感したのだ。