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秋旅 信州 Vol.09 [旅行記]

松代象山地下壕と山寺常山亭[カメラ]



太平洋戦争末期、大本営のある東京も空襲が凄くなったので、大本営の移動が計画され、長野市松代地区に地下壕を掘っている間に終戦になった。

地下壕は3箇所掘ったらしいが、我々が向かったのは一般公開されている象山地下壕。

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俺は松代象山地下壕の存在を全く知らなかったんだけど、かなりの突貫工事で作業が行われたらしい。

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ヘルメットを着用して、地下壕に入る。


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中は湿度が凄く、涼しい。

蛍光灯がある中を、でこぼこの湿った岩の上を延々歩く。

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所々落盤しないように鉄製の天井の箇所があるが、鉄には無数の水滴が付いていた。

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地下の規模は想像していたより遙かに広大で、公開されていない場所も含めると、地下壕全体は町1つ分はあると思った。

長野県の心霊スポットらしいが、俺はそういう感じはしなかったが、Kと色々話ながら歩いていると、闇の中から突然出てきた男とすれ違って驚いた。

一瞬だったが、すれ違った男はすっぽり黒いレインコートを着ていて、頭もレインコートのフードに覆われているので顔は見えなかった。

ただ、黒いレインコートにポツンポツンと白い斑点が見えたので、俺は天井から水滴が落ちていて、気づかないだけで俺たちも白い水滴を浴びているんじゃないか?と思ったが、最後まで天井から落ちる水滴を浴びた感覚は無かった。

Kも暗闇から前進真っ黒な男が現れた事に驚いたらしく、我々はそいつを「幽霊」と呼んだ。

我々は地下壕の行き止まりまで歩き、来た道を引き返した。

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この地下壕を作るときは、朝鮮人労働者が活躍したそうだ。

和歌山県田辺市中辺路町の作家、宇江敏勝さんも山林の仕事をしていた時、発破の技術などは日本人には出来なくて、朝鮮人の独壇場だったと語っている。

まだまだ日本には俺なんかが知らないことが多いと痛感した。


少し歩くと山寺常山亭という松代城下にある豪邸を見学した。

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俺は地下壕よりもこちらの方に変なモノを感じた…部屋の雰囲気が映画「リング」に出てきたシーンと似ていて、少し気味が悪かった。

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立派な池で泳ぐ鯉も、何か不気味な感じがした。

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どうも地下壕で「幽霊」とすれ違ってから、少し臆病になったのだ。