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佐々木勇気八段VS藤井聡太名人 [日々のあれこれ]

大逆転




第73回NHK杯将棋トーナメントの決勝は前年と同じ顔合わせとなった。

速い展開の前半戦でAIの判定は中立だったが、一瞬の気のゆるみに藤井聡太名人がズバッと攻め込んで一気に有利になりそのまま追い込んだ。

俺なんかには藤井名人が追い詰めて勝負あったかに見えたが、解説の羽生九段は「見た目やAIの判断より実際に戦っている場所では僅差」まだまだ判らないとコメント。

解説の言葉通り、崖っぷちから佐々木勇気八段のうっちゃりが炸裂!戦況は一気に逆転した・・・無表情だった藤井聡太名人の顔に表情が出た。

持ち時間がないので歩を成り捨てて時間を稼ぎ懸命に打開策を探す藤井聡太名人、一方の佐々木勇気八段も時間一杯まで打たない・・・これって速く打たないと相手に考えさせる時間を与えてしまうのでは?と思ったが、解説の羽生九段は俺の心の声に応えるように「佐々木八段も時間一杯まで詰めの展開を考えています」と判りやすく説明してくれた。

しかし、連打炸裂でコーナーに追い詰め「後一発」、あと一発当てきれればKO勝ちの状態から、起死回生のビッグパンチが炸裂した。

両者の激しい攻防を見て、古い話で申し訳ないが2005年に行われたWBO世界ライト級チャンピオン「ディエゴ・コラレス」と、WBCチャンピオン「ホセ・ルイス・カスティージョ」の王座統一戦を思いだした。

10ラウンドに2度ダウンを奪われたコラレスが絶体絶命の大ピンチで、カスティージョが何でもいいから「あと一発当てれば勝ち」という状況で、ダウンから立ち上がったコラレスが逆にKOした大逆転勝利を思いだした。

「板子一枚下は地獄」な天才同士の激突は佐々木八段の劇的勝利に終わった。

俺は藤井名人が負けるところを始めて見たのだ。