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コピーする [日々のあれこれ]

楽しみ方




高校生の頃やっていた文化祭バンドは100%コピーバンドだった。

レッド・ツェッペリンやディープ・パープル、レインボウやKISSとかの曲を耳で聞いてコピーしていた・・・マニアックな拘りは無く、シングルコイルのストラトでKISSを弾いたりしていたし、コピーも厳密では無くナンチャッテな感じで「最後まで演奏が止まらなければOK」程度の思い入れで弾いていた。

俺はそのまま自分で作った曲を演奏する道を歩み始めた。

ただ、曲だけで無く、何事も自分の作るオリジナルは「自分の中に無いと」アウトプット出来ない。

セッションみたいに適当に音を出していて、奇跡的に偶然名曲が作れる事もあるかもしれないが、そういうのは続けて何曲も書けない。

幼児に「見たことも無い宇宙人の絵を描いて」と言っても、鼻がゾウさんだったり首がキリンさんだったりする・・・オリジナルだと思っているモノもコピーの切り貼りで、つまり人間の脳はそういう仕様なんだと思う。

ただ、自作曲の世界に閉じこもっていると、楽曲の作風が似てくる・・・つまりネタ切れで、そうなると新たなモノをコピーしてこないとマンネリから脱却できなくなる。

俺はコピーは根を詰めて厳密にやらなかったけど、新しい奏法や楽器サウンドなどのトレンドは常に興味があって取り入れていた。

でも、それは新しいモノに対する興味であって、コピーする事への興味は無かったので、高校生の頃同様「大体こんな感じかな」的なナンチャッテで、それ以上深入りはしなかった。

時は流れ、現在はブランクからの脱却リハビリで、昔の曲を「コピー」している。

別にコピーバンドをやりたいわけではなく、オリジナル曲を導入できる段階になれば作ろうと思っているが、現状はコピー曲の演奏でリハビリど真ん中が限界。

とりあえず「最後まで止まらない」程度の演奏しか出来ないんだけど、高校の頃と違うのはコピーの精度に「一歩踏み込んでいる」事で、それが楽しい・・・面倒だったコピーが楽しい。

子供の頃作っていたエンジン・ラジコンの飛行機と同じで、一気に完成させるのは無理なので「今日はここまで」と作業を中断して、次の休日に続きをやるみたいな感じ・・・昔のラジコンで使っていたエポキシ系接着剤なんて硬化するのに何時間も掛かっていたので、何をするにも凄く時間が掛かった。

それと同じで、今は「とりあえずこんな感じで」と荒いコピーでリハーサルで弾いたのを録音したのを通勤時に聴いたりしながら「次回はこの部分の精度を上げよう!」と考えている。

有難いことに、最近はYOUTUBEでコピーの手本がゴロゴロしているので、「あ!このポジションで弾いてるのか!」と、コピーが時短で楽になっている。

奇妙な感覚だけど、最近はリハビリが楽しい。

コツコツ精度を上げていく課程が楽しいのだ。