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特別展「京都・南山城の仏像」 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

東京国立博物館



トーハクで行われている特別展「京都・南山城の仏像」に行ってきた。

平日なのに、かなり混んでいる上野公園を抜けてトーハクに到着。


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チケットは並ばすに自販機で買えた。


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特別展の規模は本館1階で行われたので、平成館での特別展の半分以下の規模だった。


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今回の特別展はトーハクの前に奈良国立博物館で行われていて、グッズ売り場には奈良展の図録も販売していたが、奈良展の図録は東京展と比べると値段も分厚さも倍以上の立派なサイズだったので、奈良展の一部が上野に来たんだと思う。

でも、今回の特別展は書や絵画とかが無くて仏像に特化していたので、超真剣モードで仏像を見るなら丁度良い量だと思った・・・以前奈良国立博物館で行われた「快慶展」の規模だと仏像が多過ぎて最後の方は疲れてしまって飽和状態だった。

今回の展示の最後に南山城の各寺の地図が紹介されていて、南山城に行こうと思っているのか大勢の人がパネルを真剣に見ておられたが、東京から出かけるとなると南山城の寺々は交通の不便な場所なのでかなり厳しい・・・東京から新幹線で京都経由で奈良駅からバスで浄瑠璃寺に行くことを思えば、浄瑠璃寺の九体阿弥陀は1体しか来なかったけど、1体でも目の前で堪能出来て有難いと思った。

天気の良い日だったので館内は結構混んでいたが、人が多い割にはストレスなく落ち着いて見て回れた。

後期高齢者の数は少なく、みうらじゅん・いとうせいこうさんのファン層というか、本物の見仏ファンが集っていた感じで、皆さん博物館慣れしていて非常にマナーが良く、仏像の見所も心得ておられた。

俺も仏像はもちろん、光背が外されて普段は見ることが出来ない仏像の背中部分や、蓮華座、邪鬼の出来映えなども丹念にチェックした。

俺は現光寺の十一面観音が良かった!

十一面の座像って珍しいし、水晶の玉眼が後補らしいけど、雲渦の舟型光背が外されていて背中も見れて良かった。

少し調べてみると現光寺は無住院らしく、この像も奈良国立博物館での保存が打診されたらしいが、2015年に地元住民の寄付などで新収蔵庫が建てられ大事に守られているらしい・・・琵琶湖の湖北エリアや静岡県函南町同様、里人の厚い信仰心によって守られている仏像だった。

久しぶりのトーハク仏像特別展だったので、大満足でグッズ売り場に向かった。

図録は奈良展の立派なのが欲しかったけど、劇重なのでトーハクの方を買った。

そして奈良展では売り切れてしまい、会期中の再入荷が無かった人気の「牛頭天王キャップ」を買った。


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ワッペンの牛さんの真横に伸びる耳が可愛い。


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みうらさんがヘビーメタル感を入れるためにGOZUという文字を入れる事に拘ったらしい。


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常設展示の方の仏像も見て、本館を出ると秋の涼しい風が吹いていたので前庭のベンチに座った・・・1ヶ月前の灼熱地獄だったら不可能だった。

袋から牛頭天王キャップを取り出してかぶったりしながら、特別展をふり返った。

予想通り南山城の仏像はレベルが高かった・・・南山城は奈良と京都の県境の京都府側で、反対の奈良県側は運慶の大日がある円成寺だから、南山城付近一帯は奈良と京都の文化が混じっているから凄いのかもしれない。

浄瑠璃寺の国宝の広目天が凄く、東大寺とかの天平時代のは筆を持っているけど、平安だから羂索を持っていた。

慶派仏師の仏像もあり、行快作の三尺阿弥陀は来迎印を結んでいて、往生者を極楽浄土から迎えに来る姿なんだけど、今晩にでもうちに来て欲しいと思った。

浄瑠璃寺は行きたくても遠い寺だったので、トーハクさん有り難うなのだ。