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見えるという事 [不思議]

固定観念というフィルター




先日職場で同僚と不思議な話になった。

同僚の姪が産まれて暫くした頃、首がすわってきたので抱いていると、赤ちゃんが部屋の何もない壁を見ていた。

あれって何か見えているんですかね?と聞かれた俺は、ペリーの黒船を思いだした。

江戸時代の日本の船といえば大半が小さな帆掛け船だった。

そこに巨大な黒船が来ると、大きな船が来た!と言っても、それが見えない人がいたそうだ・・・どうやら人間は船と聞くと自分の頭の中にある船を探そうとして、それに合致しない船は見えない事になるらしい。

だからUFOなんて居ないという人の前にUFOが出現しても、「ほら!そこ!」と真横で指をさして言われても見えないらしい・・・そんな話をした。

それは俺にもあるかもしれない・・・昔飼っていたネコが天井付近を眺めているんだけど、そこには何もない。

しかし、いつまでもネコは同じ場所を見続けていて、話しかけても天井から目を逸らさない・・・ゴキブリでも出たか?と思うが、何もいない。

いつまでも天井を見ているのが怖くなってくるので、両手でネコの顔を挟んで無理にこちらに顔を向けさせるんだけど、手を放すと再び天井を見ている。

こいつは何かが見えているんだなと、俺もネコを抱きながらネコの後頭部からネコが見ている天井を凝視するんだけど・・・俺には何も見えなかった。

「なんや?何が見えるんや?」と聞いてもネコは答えない。

江戸時代の人の船の話じゃないけど、赤ん坊やネコには「コレはこういうモノ」という固定観念が無いので、視界に捕らえたものに変なフィルターが働かずに全部見えているのかもしれない。

田舎に暮らすお年寄りは、お盆になると先祖の霊が戻ってくるのは当たり前だと本気で信じているので、実際に先祖の霊が部屋に現れても驚かないらしい。

お盆に先祖の霊が戻ってくるのは当たり前という人には先祖の霊が見える・・・つまり、そういう概念を持たない人には見えないだけで、霊は存在するという事なんだろうか。

それとも自分の脳が、会いたいと思う先祖の霊という幻影を都合良く作り出しているんだろうか?・・・でも、ネコの脳がそこまで複雑だろうか?

やはり赤ん坊やネコには何かが見えているんだと思うのだ。