怖くない

怪談ユーチューバー




夏と言えば冷やし中華と稲川淳二だったけど、最近はYOUTUBEで怪談が流行っているらしい。

どこも安定して高い再生回数を出しているし、登録者数も多い。

しかし、怪談ユーチューバーの話は全然怖くない。

怖くない話を怪談と称して話している不思議な人達なんだけど、どなたのお話しも同じ質感で本当の話ではないと判る。

本当に怪現象を体験している人の話は、語りが下手でも怖さが伝わってくる。

以前にも書いたけど、怪談は眠気対策に効果がある。

昔、レコーディングスタジオで録音していたときに、ドラムの音をビンテージマイクで録ろうという事になり、珍しいマイクを六本木のスタジオでお借りしたことがあった。

不眠不休でテープを回してフラフラになったが、とりあえず借りたマイクを返しに行こうって事になって、エンジニアさんの運転する車で六本木に向かったんだけど、半分眠りながら運転していて、俺にも強烈な睡魔が襲ってきた。

事故でも起こせば大変な事になると思った俺は、怪談を始めた・・・それから運転するエンジニアさんと交互に持ちネタを話したんだけど、いつの間にか睡魔は消えていた。

その時聞いた話は車を運転しながらなので、ユーチューバーの上手に纏めた話ではなかったが「本当の話」だったので、隣で聞いていて震え上がった。

ユーチューバー達の怖くない怪談を聞くと、本当の話が如何に少ないかが良く判るのだ。