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特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

東京国立博物館




連日猛暑の東京だけど、先送りにすると更に暑くなるだけなのでトーハクの特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」に向かった。

古代メキシコ文明は謎が多い。

紀元前2000年まで遡れて、高度に発達したマヤ文字があり、数千のピラミッドが建設された・・・底辺がエジプトのクフ王のピラミッドの2倍ある、世界最大の「チョルーラのピラミッド」がある。

天文学も発達していて、立派な天文台があって「マヤ暦」というカレンダーを作り、その暦が2012年で区切りを迎える事からノストラダムスの大予言に続く終末論として採り上げられ「フォトンベルト」や「惑星ニビル」などの説が登場した。

つまり、古代文明ミステリー好きの俺にとって古代メキシコ文明はワクワクの宝庫。

太陽や月の巨大ピラミッドで有名なテオティワカン文明の「死のディスク」、マヤ文明のパカル王妃の「赤の女王のマスク」、アステカ文明の鷲の家で見つかった等身大の「鷲の戦士像」などを見ようと大江戸線に飛び乗った。

・・・曇っていたので幾分暑さが緩和されていた上野公園を歩いた。


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ホームレスは相変わらずの多さで、想像以上に外国人旅行者が多く、社会見学の小学生達も沢山見かけた。

10時頃にトーハクに到着した。


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チケットは自販機で待たずに買え、サクサク平成館に入ると・・・いきなり小さなヒスイの可愛い石偶が出迎えてくれた。


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これだ!とテンションが上がった。

館内は混むという程に人は多くないのに、展示が見づらい。

その原因は「写真撮影可」で・・・皆がスマホ片手にカメラマンになっていて、自分が撮り終えるまで動かない。

大学生風の若い人と若い東洋系外国人旅行者が多い感じで、皆静かにマナー良く見ているんだけど順番に写真を撮りながらなので、いつものトーハクより数倍時間が掛かる渋滞だった。

静まりかえった館内で後期高齢者の爺さんが、連れている婆さんに周囲に聞いて欲しい大声で「太陽の神殿」に行った時の自慢話を喚いていて古代遺跡のミステリアスな雰囲気を根底からブチ壊していた。

貝が貼り付けられたテオティワカンの土器を「精巧に作られているんだな」と感心していると、背後で大声が・・・

ババア「太陽の神殿って、いつ行ったの?」
ジジイ「写真を持ってないんだよ」
ババア「なんでぇ~?写真撮らなかったの?」
ジジイ「カメラを持っていくのを忘れたんだ」
ババア「そう忘れちゃうの!わ~すぅ~れ~るのっ!」
ジジイ「カメラをね、太陽の神殿~」
ババア「忘れちゃう」
ジジイ「太陽の神殿の~」
ババア「忘れるのよ!」

頼むから黙ってろ!と、気が狂いそうになった。

殆どの人が順番を待ってスマホで撮影したらサッと移動しているのに、後期高齢者の爺さんだけが強引に行列に割り込み、大きな高級カメラを持って長々と展示物のど真ん中を独占していたのが目立った・・・そこまで写りに拘るならケース越しに撮るんじゃ無く図録買え!と思った。


テイオティワカンの太陽のピラミッドから出土した緑色岩で作った小さな像は、異様に大きな特徴的な帽子をかぶっていてイースター島のモアイの頭の上にある「プカオ」に似ていると思った。


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プカオは地位の高い男性が長い髪を団子状にして結ぶ髪の毛の事で、ひょっとすると古代のメキシコ人と古代のポリネシア人は何らかの繋がりがあったのかもなどと想像した。


「赤の女王」辺りまで来ると皆写真を撮るのに疲れたのか、かなり空いていてユックリ見れた・・・これが見たかった。


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チャタモール像の背後にカントン宮殿のパネルがあって、茶色い石の質感にエジプトを連想した。


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全部見終えて図録を買う為に売店に行ったんだけど、店員の横柄で荒っぽい応対にはガッカリした・・・イベント会社が雇う短期バイトの連中なんだろうけど、暑い中ごった返していて大変なのは判るけど、別に王族の様に扱えとは言わないが、ちょっとないわってレベルだった。


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他にも首からIDカードをぶら下げた若いイベント会社のスタッフ数人が、わざわざフロアの人通りの多い邪魔になる所で延々と立ち話をしていて、皆がそいつらに迂回させられていた・・・サボるなら見えない所でサボれと言いたかった。

ウンチクを周囲に大声で喚きたがる年寄りは博物館アルアルだけど、今回はスタッフの質の悪さが目に余った。

トーハクは出入り業者の入札基準を見直して欲しい。

春でも暑くて大変な平成館だけど、先に誰かが熱中症で倒れてくれたのか?いつもよりは冷房が効いていたのがせめてもの救いだった。

ソファーに座って、リュックに入れていたペットボトルのお茶をゴクゴク飲んだ・・・平成館の2部屋を使ったてんこ盛りの展示を見るのは疲れた。

暑い時期のミュージアムは体力勝負なのだ。