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彫刻 [ノスタルジア]

友だちの顔




小学校の頃のクラスメイトで一番仲が良かったのがM君。

野球とかはいつも同じチームで組んでいた。

あるとき学校の図工の授業で彫刻の課題があった。

2人一組になって、お互いの顔を四角い蝋の塊を彫刻刀で彫るんだけど、俺はM君と組んだ。

彫刻には凄く興味があったので、凄く頑張ってM君の顔を彫った。

我ながら良くできていると思って、彫刻って楽しいなと思った。

授業が終わって皆が元の席に戻り、教師が順番に作品を見て回った。

俺の隣に来た教師は「お前もっと真面目にやれ!」「これが人間の顔か!」「猿じゃないか!」と顔を真っ赤にして怒り出した。

「一体誰を彫ったんだ!」と聞くから「M君です」と言うと、何も言わずサッと逃げるように次の子の方に歩を進めた。

M君はノーメイクで猿の惑星に出演できるほどの猿顔だった。


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俺は彫刻の時間が好きで、蝋の塊でお友達の顔を彫るだけではなく、分厚い木の板に好きなモノを彫る課題もあって、こちらは法隆寺中門の金剛力士像の阿形を彫った・・・これも良い感じで、長年俺の部屋に飾っていた。

仏像の彫刻をしてみたいのだ。