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北海道に行ってきた その2 [旅行記]

旅とは何か


今回の旅は北海道旅行のスペシャリストKの実体験に基づいた「本物の知識」に助けられた・・・アウトドア派のKは北海道を奥さんとキャンプしながら何度も廻っていて、道内の端から端まで知り尽くしている。

おかげで俺は北海道ビギナーが陥るトラップに引っかかる事無く、様々な苦労をサクサク回避できた。

また、北海道全域に観光客が充満しているものと覚悟していたが、実際は札幌や旭川市内と富良野の人気花畑の周辺で中・韓の言葉が聞こえた位で、他はシーズンにもよるんだろうけどアウトドアを楽しむ若い道内の旅行者が多く、行き帰りの飛行機やホテルは埋まってはいたが、京都・奈良の様な「ごった返す」程では無かったので助かった。

渋滞も無くサクサク移動できる快適な道路状況で、強力ベテランガイドが導いてくれた「お気楽観光」でも広大な北海道を見て回るのはタフだった・・・1120㎞という距離は長かった。


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これを温泉付きのふかふかベッドのホテルで無く、設営と撤収を繰り返す「テントで廻る」ってどれだけ過酷なのか?は想像出来なかった。

足寄の野営場を歩いていると地面にマヨネーズが落ちていた・・・ベテランキャンパーのKによれば犯人はカラスらしい。


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食料をキツネやカラスに荒らされるのは「キャンプあるある」らしい。

焼いたばかりのパンケーキをカラスにさらわれて「これで朝飯抜き」という体験談を当たり前の様に話すKに畏敬の念を抱くと同時に、キャンプ生活の厳しさに凍り付いた俺は、次第に「旅とは何だろうか?」と自問するようになった。

強烈な日差しが逃げ場無く肌に突き刺さる、猛暑の「摩周湖第3展望台」の側道で、若い白人男性のバックパッカーが地面に座って足を半分道路に投げ出した姿で、さめざめと泣き崩れていた。

摩周湖畔で徒歩での移動手段しか持たないという事は遭難に近く、寒い時期であれば死を意味する・・・言葉の通じない異国で万策尽きるのはどれほどの絶望だろうか。

泣き崩れる男の横を観光客の車の列が次々通りすぎる様子は、エベレストのデスゾーンで動けなくなった人の横を通り過ぎる登山団というか、歩けなくなった仲間の横を黙々と通り過ぎていくアフリカ象の大群を見るようだった。

俺は見捨てていく後ろめたさを払拭するように、屈斜路摩周湖畔線の曲がりくねった坂道を逃げるように車を走らせた。

旅は、歯車が1つ狂うと地獄が待ち受けているんだなと悟った・・・。

屈斜路湖の和琴半島キャンプ場の駐車場に、軽トラの荷台に手作りのボロ小屋を乗せた他府県ナンバーの「自作キャンピングカー」が泊まっていた。

バラバラに崩壊して車からズリ落ちそうな朽ちた小屋は旅の過酷さを語っていた・・・仕事をリタイアした後は車を買って車中泊で全国を回りたいという甘い計画が吹き飛んだ。

俺は「この小屋の中で寝るなんて不可能だ」と拒絶すると同時に、パンケーキを浚われたり、分解寸前の小屋で寝なければ旅を味わえないのであれば観光客で良いと思った。



・・・帰りの飛行機の中で、スマホで撮影した北海道の写真を見ながらふり返った。

良かった名勝・・・摩周湖の真ん中に浮かぶ小島「カムイシュ島」が可愛かった。


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良かったホテル・・・ラビスタ大雪山


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良かった温泉・・・帯広「拓聖の湯」

美味しかった食べ物・・・苫小牧ノーザンホースパークの「カレーうどん」


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温泉卵を乗せたうどんをスープカレーにつけて食べるんだけど、このカレーは俺のこれまでの人生でもベスト3に入るカレーで、何か判らない野菜の食感が凄く良くて一口毎に驚嘆しながら食べた。


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最も美味しかったスイーツ・・・音更町「柳月スイートピア・ガーデン」の「抹茶あずき和パフェ」、文句なしのパーフェクト。


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動物・・・千歳水族館のカイツブリのカイくん


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ミュージアム・・・足寄「動物化石博物館」の縄文土器が良かった


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アクティビティ・・・苫小牧「ノーザンホースパーク」のセグウェイ


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運転講習を経て園内をツアーしたが、スロー走行が退屈で無線でガイドさんから注意された危険な岩に体当たりしようと挑戦してみた。

左側のタイヤで岩に乗り上げを試みたが、予想以上にセグウェイが暴れたのでバーを掴んだんだけど、バー自体が舵なので更に左右に振り回されて振り飛ばされそうになって驚いた・・・おかげで念願のスリリングな走行が味わえた。

色々楽しかったなぁ~北海道と思っていると成田に着いた。

今度はもう少し涼しい時期に行きたいのだ。