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通勤百景 [日記]

満員電車での恐怖




いつものように清瀬駅のホームで新木場行きを待っていた。

俺が乗る1本前の車両がなかなか発車しないので何か変だな?とスマホから目をあげると、後方のドアの前に傘が落ちていた。

駅員がドアの中に半分体を入れて車両の中の誰かに話しかけている様子だった。

最初は落とし物の傘を渡そうとしているのかな?と思ったが、普段そんな位置に駅員は居ないし、長々とドアが閉まらない。


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しばらくすると男の怒号が聞こえ、数人の駅員が応援に駆けつけ、やがて警察官も2名やってきた。


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喧嘩があったらしいが、電車は発車しないで、相変わらず開いたドアの中で喧嘩しているバカに話しかけている。

いや、そんなのどうでもよいから、バカを車両から引きずり下ろして、とりあえず発車させないと!と思うが、駅員も警察官も小学生のサッカーみたいに1つのボールを全員で追っかけている。

やがて発車は発車して俺が乗る新木場行きがやってきたが、嫌な予感がしてドア付近を避け車両中央のつり革を握った・・・路線が乗り入れで長距離になっていると、上流部では些細な遅れでも下流になるとトンデモなく膨れ上がるのを俺は身体で知っている。

結論からいうと、5分強の遅れが月島では30分に膨れていた。

練馬から有楽町線に乗り入れるんだけど、そこからは2分程度で次の駅に着くんだけど、駅で停車すると区間調整で2分以上待って・・・その間にドンドン乗ってくるので発車しようとドアを閉めようとしても最低でも5回は明け閉めしないと閉まらない。

車内放送では「荷物をお引きください」が無機質な声で連呼されるんだけど、「もう乗車は無理なので次の列車お待ちください」と言わないと遅れが益々増加する。

ここからが本題なんだけど・・・月島で降りたんだけど、その3つ前の駅辺りから恐怖を感じた。

俺は先頭の車両に乗っていたんだけど、ドアが閉まらずに開いたり閉まったりを繰り返していると、一番前の運転席の窓をドンドン!!ドンドン!!と、かなりの力で叩く音が聞こえてきた!

混んでいて誰が叩いているのか見えない。

ドンドン!!という爆音で座って寝ているやつも起きたんだけど、全員が誰もなにも言わずにスマホの画面をガン見している。

ほぼ全員が記録的な押しくらまんじゅうのなか、シーンと凍りついた車内でドンドン!!ドンドン!!という打撃音だけが響き渡る。

長野で猟銃を持った奴が立てこもった事件があった直後だけに、怖かった。



ドンドン!!と狂った様に叩いているのが運転手だったら?と考えると恐ろしかったのだ。