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坂本龍一さん死去 [音楽]

教授旅立つ




「戦場のメリークリスマス」でデビッド・ボウイさんと共演、「ラストエンペラー」で米アカデミー賞作曲賞を日本人として初受賞の「世界のサカモト」がお亡くなりになった。

非常に残念で、ご冥福をお祈りします。

坂本さんといえばYMOやダウンタウンとの「アホアホマン」や「GEISHA GIRLS」って印象が強いけど、東京芸術大学大学院修士というバリバリの芸術家。

教授のピアノ演奏を聴いていると、響きを重視する感じで、どこかドビュッシー的な、完結させないでsus4で終わるみたいなイメージ。

芸術の世界からバンドマン達のフィールドに舞い降りた稀有なエリートアーティストという印象で、同時期に輝いた小室哲哉氏とのコントラストが、三島由紀夫と石原慎太郎にダブる・・・文藝の三島と流行の石原みたいな感じで、生真面目な芸術という制約が無い分だけブームに乗った破壊力の方が目立って見えたのが残念。

晩年は闘病生活の中で環境や憲法に関する運動にも積極的に参加しておられ、明治神宮外苑の再開発による自然破壊を懸念し、今年2月に小池百合子都知事に見直しを求める手紙を送っていたが、都民の大多数が選んだ都知事の返事は「事業者である明治神宮に言え」だった。

俺とリアルタイムで昭和~平成を駆け抜けた「輝いていた人」がいなくなると、もう俺の寿命もそろそろ終わりだなとしんみりしてしまう。

またひとり「本物」のミュージシャンがいなくなったのだ。