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特別展「岡本太郎」 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

東京都美術館



ゲイジュツの秋という事で、超楽しみにしていた岡本太郎展に行った。

俺は「e+」で予約し、コンビニ支払いで「入場時間指定の前売りチケット」を買ったけど、会場で当日券も普通に販売されていた・・・平日の木曜日だから空いていたのかも。

館内はやや混んでいる感じだったけど、仏像系の特別展と比べるとガラガラに空いていた。

というのも、展示作品の写真撮影可なので、人気作品の前は撮影会状態だったけど、これをトーハクの平成館の仏像系でやれば大混乱になっていたと思う。

そういう意味では、丁度良い観客の入りだった。

俺は最初から図録を買う予定だったので、写真撮影はほどほどにして岡本太郎を見て感じる事にエネルギーをつぎ込んだ。

客層は平日だからなのか8割が20才台で、その大半は美大生って印象だった。

仏像系の特別展ではお馴染みの「美しい物好きのご婦人」は殆ど見かけなかったのと、入場割引が効く高齢者も殆ど見かけなかった・・・老人が少ないのはコロナの影響も大きいと思う。

俺は絵画の世界は無知で何を観ても何も判らないが、岡本太郎先生の作品は意味不明な所が好きで、アキバの職場で働いていた頃は、「秋葉原ラジオ会館」で岡本太郎のガチャポンを回していた。

館内に展示されている作品の大半は大きな油絵で、普通の風景画すら判らない俺は、太朗先生のアバンギャルドな絵は何が何だかサッパリ判らなかった。


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長野善光寺の「胎内めぐり」で目に頼って暗闇を見ようとすると焦るのと同じで、俺みたいな素人が判らない絵を理解しようとするから余計に判らなくなるんだと、途中から判ろうとせずに受け入れる事に切り替えた。

そんな芸術素人な俺の感想は、太朗先生の絵は書道のタッチに似ていると思った・・・筆に絵の具をガッと付けてズバッと振り回している感じ。

緻密さと気合い一発の荒々しいのが混在している、静と動が主張しあっている感じ。

描く前に明確なコンセプトがある感じで、画家というよりプロデューサー的というか、どうすれば見る側にアピールできるかを絵で表現していると感じた。

情念がキャンバスからグイグイ押し出されて、これが先生の言う爆発なんだろうなと思った。

俺には太朗先生のアバンギャルドは理解できないけど、難解って嫌いではなく、針金のように極端に細長い人物像のアルベルト・ジャコメッティとかは気に入っている。

あと、岡本太郎作品は「楽しい」・・・縄文文化や万治の石仏など日本文化の質感が何処からか顔を出している。

近鉄奈良駅前のひがしむき商店街にある「岡本太郎作の手の椅子」と色違いで同じのがあった。


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展示の最後に先生晩年の大きな絵があって、それをボーッと見ていると背後で高齢の女性が「死ぬ前にこれを描けるって凄い!」と大声で驚いていた。

俺も先生が一貫して芸術と格闘するモチベーションを生み出す規格外のスタミナに驚いた。

何が先生をそこまで突き動かしていたんだろうか・・・凡人の俺には理解できなかった。

最後に物販販売コーナーで、図録と海洋堂の傑作選を1個買った・・・「犬の植木鉢」が欲しかったけど、中身は「リボンの子」だった。

全部見終えてエスカレーターを下るとき、岡本太郎作では無いと思うが「疲れ切った(俺にはそう見えた)太陽の塔」が良かった!

身も蓋もないけど、疲れた太陽の塔が一番良かった・・・フィギアがあれば買っていたと思う。


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大満足で会場を出て、仏像も良いけど絵画や彫刻も良いなと思った。

東京都美術館出口付近の売店でピカソの缶バッチのガチャを回した・・・「帽子を被った婦人」が欲しかったけど「アルルカンに扮したパウロ」が出た。

美術館は良いね・・・おちつく。

長らく工事中だった国立西洋美術館の広場のロダンの「カレーの市民」を見たりして駅に向かった。


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秋は黄色いイチョウと美術館がシックリ来るのだ。