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フェード現象 [日々のあれこれ]

パニック



先日静岡県で観光バスの横転事故があった。

ブレーキの使いすぎによる「フェード現象」が事故の原因では無いかと報道されている。

「フェード現象」といえば俺が小学生の頃、父の友人が引っ越したので引越祝いだったと思うんだけど、一家で大阪の山奥に行った。

何処に行ったかは覚えていないけど、凄い山奥だったので河内長野とかだったと思う。

山を切り開いて作った団地で、急激な斜面に同じような戸建ての家が果てしなく並んでいた。

俺は自転車を借りて急な坂道を下ったんだけど、暫くするとフェード現象が起きてブレーキが効かなくなった。

道路は団地内に造られた真っ直ぐな道路で、あっという間に凄いスピードになった。

で、そこから先の記憶がない・・・だから、もしかすると俺はあの時死んでいて、今のこの世界は自分が死んだことに気がついていない俺が作り出しているバーチャル世界なのかも。

車でも一度だけ厳しいフェード現象を経験している。

昔は東京から長野県に向かうときは、高速道路なんて無いので群馬県の高崎から碓氷峠を越えて軽井沢に抜けていた。

ある時、機材満載のバンドの機材車で長野に向かうとき、須賀尾峠を越えて長野に入るルートを走った・・・最大積載量の2倍は軽く超えていたと思う。

俺は奥吉野のコーナーだらけの厳しい道を車で走りまくっていたので、その時も険しいコーナーが続いていたが運転に特に問題はなかった。

しかしブレーキが焦げる臭いが車内に入ってきた・・・何だ?と思ったらフェード現象だった。

とにかくブレキーを冷やそうとブレーキを踏む回数を可能な限り減らしたり、踏みっぱなしにせずポンピングしたり、厳しい下りではエンジンブレーキを使いまくったが、懸命に走っているんだけどミラーを見ると後続車が沢山張り付いていた。

そこで無理をせず、路肩に寄せて後続車を先に行かせた・・・その時はまだブレーキが少し効いていたが、後続車に気をつかってそのまま速度を上げていたら谷底に転落していたと思う。

少し嘗めていたが、この時長野の峠の険しさを痛感した・・・長野の峠は別格。

後続車を先に行かせたときに暫く休んでブレーキを冷やせば良かったんだけど、後続車がいなくなると再び走ってしまった。

暫くするとブレーキを踏んでもスカスカで完全に効かなくなった・・・とにかくエンジンブレーキを掛けてコーナーはわざと大回りで回った。

対向車が怖いので3つ先のコーナーを見ながら運転していた。

ギアを1つ落とそうにも、クラッチを切って限界までエンジンを回さないとタイヤが空転して横転してしまうほどの速度が出ていた・・・あの時はちょっと焦った。

恐らく映像の早送りみたいな運転だったと思うが、運転している俺より横に乗っている人の方が怖かったと思うが、誰も何も言わずに大人しく乗っていた。

峠を下り終えて平坦な道路に出ても暫くはブレーキが効かない状態で、最初に遭遇した信号で何とかギリギリ止まったが、車内は焼け焦げたブレーキの臭いが凄かった。

峠の下りは怖い・・・しかし、これは凄いことやと思うよ。

おーん。