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特別展「北条氏展 vol.3-2 北条義時とその時代 ー義時と実朝・頼経ー」 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

鎌倉国宝館




死ぬ前に「地獄」を学ぼうと鎌倉に出かけた。

鎌倉は幕府があった場所だけに、大きく立派な寺が沢山あるが仏像の方は厳しい・・・仏像も沢山あるんだけど国宝仏は鎌倉大仏だけ。

そんな鎌倉で素晴らしい仏像が見たければ、鶴岡八幡宮境内にある「鎌倉国宝館」がお勧め。


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という事で鶴岡八幡宮にお参りをしてから特別展「北条氏展」が開催されている鎌倉国宝館に向かった・・・「北条氏展」には余り関心が無く、主目的は常設展示の地獄関係の仏像。


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入館すると、立派な薬師三尊を取り囲む十二神将が飛び込んできた。

韋駄天や地蔵菩薩が良かった・・・特に鎌倉時代の鎌倉時代重文の地蔵菩薩立像は、光明皇后の慈愛に通じる穏やかな波動を感じた。

そして目的の常設展示の「人頭杖」を拝見した。

凄くリアルな生首に見える・・・OZZYかジーン・シモンズが持ってそうで不気味で良かった!


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「人頭杖」は「檀拏幢」とも呼ばれ、閻魔大王様が持っている亡者の「善・悪」を判定する杖で、「太山府君」と吉祥天の妹「暗闇天女」の男女2つの頭が乗っている。

重罪であれば憤怒の男相の口が火を噴き、善行が勝れば柔和な女相から芳香が漂う。

問題は閻魔様がいる地獄・・・我々は死ぬと地獄に行くのか?天国に行くのか?とか漠然と考えている人がいれば、脳天気に死んだ後で苦労すると思う。

例えば皆さん蚊を殺した事はありますよね?蚊位は殺したよね?

ハイッ!「叫喚地獄行き確定!」という事で、何の予備知識もなく死んで三途の川を渡って脱衣婆に身ぐるみをはがされて泣き叫ぶ前に、事前に地獄のシステムを学習してから死ぬべき。

俺も詳しいことを知らない地獄初心者だけど、とりあえず死ぬとかなり忙しいことになる。

地獄の裁判官は「十王」と呼ばれる閻魔大王を含めて10人の王が7日起きに裁判を行う。

死んで7日目、つまり初七日から裁判が始まり針の山を越えなければならない・・・良く判らないんだけど、とりあえず死ぬと無条件に地獄に堕ちるんだと思う。

14日目に三途の川を渡り、奪衣婆が登場して着ている服をはぎ取り、服を木の枝に掛けて枝のしなり具合で罪の重さを判定する・・・罪の度合いで橋や浅瀬を渡れる人もいるらしいが、重罪の人は荒れ狂う深みを渡らなければならない。

なので俺は三途の川を渡る前に服を脱いで、塗れないように頭の上にくくりつけて川を渡ろうと考えている。

その後も7日起きに裁判があり、4回目の裁判で地獄行きかを判断される。

ここが重要だけど死後35日目に行われる5回目の裁判官が閻魔大王で、極楽に行くか、地獄に戻されるかが上記の「人頭杖」という装置で判断される。

今回の鎌倉国宝館で「我々は生まれたときから2体の倶生神という奴が両肩に乗っていて、善行悪行をすべて記録されている」という事を知った・・・だから今更慌てても手遅れ。

あと、閻魔大王が持っている「鏡」は亡者の生前の悪行を映し出すことができ、ここで嘘をつけば閻魔様に舌を抜かれてしまう・・・是非このシステムを日本の国会議事堂に設置すべき!

そして鎌倉国宝館の地獄関係の仏像は、鶴岡八幡宮の近くにある円応寺からの寄託なので「鎌倉国宝館+円応寺拝観」のワンセットで地獄学習が出来る様になっている。

大満足で展示室から出て、常設展示の収蔵名品目録を買った。

館内に置いてあった見本を見て目録に「人頭杖」が掲載されていない事は知っていたので、物販売り場の方に「人頭杖を見に来たのですが、人頭杖が載っている物販はありますか?」と尋ねると「非売品の本には載っていたりするのですが・・・」とガサゴソ探しておられたが見つからなかった。

人頭杖攻略の鍵が無いかと鎌倉に来たが・・・見つからなかった。

国宝館を出て、倶生神の存在すら知らない自分に危機感を抱き、地獄の調査の必要性を痛感した。


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のほほんと予備知識無しに死ぬと、地獄の裁判で苦しむことになる。

これは大変な事やと思うよ。

おーん。