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冬の寺の床 [日々のあれこれ]

八寒地獄




最近昔Blu-rayに録画した「テレビ見物記」を見ている。

みうらさんもいとうさんも若い!

当時からみうらさんは寺の住職になる事を想定していて、番組でも寺の経営や参拝客への法話の語り方などを研究されていて、見物で訪れる寺の僧侶の方の説法にヒントが無いか探っておられた。

確かに寺の住職になれば、立派な仏像が安置されている寺だと仏像フィギアどころの騒ぎでなく、本物の仏像を毎日好きなだけ眺めていられる。

ただ、僧侶になる資格を得る為の修行は厳しく、若い間で無いと苦行に耐えられないと思う・・・お経や念仏も覚えなくてはならないし、数多くの専門的な作法も重要だと思う。

寺で働く中で最大の問題は「冬」だと思う。

こういうのも慣れるのかもしれないが、真冬の寺の冷たい床の上を歩くのは大変。

以前、観光客の混雑を避けるためにシーズンオフの真冬に東大寺の法華堂に行った事があったが、厚手の靴下を履いていたにもかかわらず床が氷の様に冷たくて数歩進んだだけで足の裏の感覚が無くなった。

それでも耐えて、根性で仏像の前まで進んだ・・・当時はまだ法華堂の改修工事前で堂内の薄暗さは電球1つだけで、仏像に近づかなければ何も見えなかった。

その後、法華堂の修復工事で多くの国宝仏を東大寺ミュージアムを作って移動させ、工事が終わると日光・月光菩薩を残して法華堂に戻した。

改修後にも法華堂に行ったが、LED照明に変わっていて仏像がよく見える様になっていた。

しかし、改修前の冬場の法華堂は地獄だった・・・凍り付いた床の上に立ち続けないと仏像が見えない・・・スリッパなんて無いから。

冷たさを限界まで我慢して後ろを振り返えると、腰掛けられる台の上にビッシリ参拝客が足を浮かせた状態で座っていた。

因みにみうらさんといとうさんは、冬場のロケ時は靴下の下にホカロンを貼り付けている。

最近の東京は仏像の展覧会が無いので、テレビ見物記で我慢しているのだ。