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涼しくなる話6 [不思議]

ドアノブ




この話もひょっとすると、既にこのブログに何処かに書いているかもしれないが、それを確認するのも面倒なのでとりあえず書いてみる。

MargeLitchを結成して1年位経った時の出来事。

その頃のMargeLitchは初代ボーカルが脱退し、新しいボーカルが見つかるまで俺がギターとボーカルを兼任したトリオ編成だった。


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トリオ編成の良いところは、メンバーがたった3人しかいないので意見が纏まりやすい所で、我々は次々と曲を作り、オープンリールの8トラックMTRを使ってデモテープを制作しようという事になった。

当時のマネージャーの実家が工務店で、埼玉県の奥地にある木材加工場の中にある部屋でレコーディングしようという事になった。

周囲数キロに民家のない寂しい所に加工場があり、その中に20畳程の広さのプレハブ小屋があった・・・ここならどんなに大きな音を出しても大丈夫だという事で、ドラムセットとアンプを持ち込んで打ち合わせを兼ねたリハーサルを始めた。

小屋の入り口は1カ所しかなくて、ドラムのマコトが入り口のドアに向かって叩いていて、俺とベースのKyoがドアを背にして演奏していたんだけど、何故か入り口に気配がする。

爆音で演奏しているので誰かが来ても音が聞こえないので、気配を感じる度に「誰かが来たのかな?」と演奏しながら振り返るんだけど、ドアは閉まったままだった。

休憩中に俺とKyoが「ドアが気になるんやけど」「え?俺も」みたいなやりとりをしたとき、ドアが見える方向でドラムを叩いていたマコトがボソッと「ドアのノブが回っている様に見えた」とつぶやいた。

ドアの横に全身を映すことが出来る大きな姿見の鏡があって、それが何となく気になると言うとKyoが部屋の奥に移動させた。

後で振り返るとこの時が何か変だなと思いはじめる切っ掛けだった。

・・・つづくのだ。