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平家物語 [日々のあれこれ]

栄枯盛衰




Netflixでアニメ「平家物語」を見た。

物語の舞台は平安末期で武士が勢力を増す時代なので、昔から全く興味がなかった。

俺は天皇や貴族が栄えた時代の仏像が好きなので、武士の時代に興味はない。

平安時代の貴族文化は京都宇治の平等院鳳凰堂に代表されるような素晴らしい仏像を残しているが、武士の時代になると仏教も禅とかになるので仏像はガクッと減る。

天皇や貴族で栄えた奈良や京都には今でも素晴らしい仏像が数多く残っているが、武士の都の鎌倉にあれだけ寺があるのに国宝仏は鎌倉大仏だけしかない。

なので平家にも関心が無く今でも「平家物語」と「耳なし芳一」の区別が付かない。

「平家にあらずんば人にあらず」と思い上がるまで上り詰めた平家が滅びるターニングポイントは南都焼討だと思う。

平重衡の南都焼討は平家物語では「明りを点ける為の火が風に煽られて延焼して大惨事になった」と平家を擁護しているが、現在では計画的放火だったことが判っている。

源氏の乱入で京都から逃げ出した平家が各地で冷遇されたのも、戦は武士だから当たり前としても、やって良いことの限度を超えてしまえば人の理解は得られないという事なんだと思う。

だから、平家は滅びるべくして滅びたと思う。

俺は物の価値も判らない野蛮な武士共に焼き払われてしまった奈良の仏像が見たかった。

仏像といえば南都焼討で消失した仏像を慶派仏師が作り直したのが現在国宝になっているが、平家の拠点だった六波羅蜜寺の宝物館には清盛像と、消失した慶派の菩提寺の地蔵十輪院から移された運慶作の地蔵菩薩坐が安置されていたりするのも興味深い・・・六波羅蜜寺には運慶像もある。

しかし・・・清盛が亡くなった時に患った熱病とは何だったんだろうか?

当時の書物には東大寺と興福寺を焼いた報いであったと記述されているが、俺も祟りだと思う。

アニメを見終えて1000年前の日本も今の日本も変わらないなと思った。

驕る平家は久しからず・・・地位や財力を鼻にかけ、おごり高ぶる者は、その身を長く保つことができない。

おごり高ぶっている現在の統治権力者共もやがて平家のように滅びるのであれば、一刻も早くお願いしたいものなのだ。