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竜神様 [不思議]

室生の里の龍神伝説



職場の同僚に俺が体験した不思議な話をしていて、忘れていた事を思い出した。

この話は当ブログの寺社仏閣カテゴリーの「室生寺」で2015年に書いているが、少し付け加えたいので不思議体験の部分だけ切り取って詳しく書いてみる。


・・・2009年の正月に奈良に住む父親の顔を見に行った帰りに、電車で京都に向かう途中で初詣にブラッと立ち寄った薬師寺の仏像に衝撃を受けてから「見仏」を始めた俺は、最初は基本から始めようと興福寺や東大寺など奈良公園周辺の国宝仏を中心に見て回り、ある程度見なきゃならない仏像を網羅した頃に交通の便が不便な上級者コースの「室生寺」に挑戦した。

室生寺は奈良県と三重県の山深い県境にあって、東京から京都を経由するコースだと新幹線で京都駅→近鉄西大寺~近鉄大和八木~近鉄室生口駅から路線バスという遠い場所にある。


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室生寺参拝を終えた俺は、バスに乗らずに4キロ程離れた駅に向かって歩いていて道に迷ってしまった。

その時、不思議な女性に遭遇した・・・俺はこの女性を室生の龍神様の化身だと思っている。

「室生寺」に関する当ブログの記事は寺の様子を中心にレポートしていて、2編に分ける程沢山の量になってしまったので「女性と遭遇した件」はサラッと書く程度に抑えているが、今思い返しても不思議な出来事だった。

最近俺は、この出来事を職場で同僚に・・・室生寺の話の前段に芥川龍之介の小説「龍」の題材になった興福寺の隣にある猿沢池から龍が室生の里に飛び立った伝説を枕にした超大作物語に組み立てて語った。






俺が室生寺に行き、寺が建っている山の山頂にある「奥の院」まで登った後、バスに乗らず徒歩で駅に向かって道に迷って謎の女性と出会った辺りを語りながら「女性と遭遇した場所をGoogle ストリートビューで見れるのでは?」と閃いた・・・今までその発想がなかった。

早速調べてみたところ、あった!

俺はこの道を歩いていた。


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あれ?こんなだったかな?というのは無く、今残っている記憶と印象は変わらない。

ただ、女性に教えて貰った「駅に行く道」にはストリートビューでは入れなかった。

俺は確かにその道を歩き、上の写真の先で、こちらに向かって歩いてきた女性に駅に向かう道を尋ねた。

写真の通りグネグネ曲がりくねった道では無いので、かなり先まで見通せるはずなのに、女性は突然俺の歩いている方向の数メートル先に現れた・・・というか、気がつくとこちらに向かってくる女性がいた。

年齢は25~30才位で、身長は150㎝台の痩せ型で小柄、フード付きのグレーのトレーニングウエアを着ていて、スカートでは無くダークグレーのダボっとしたトレーニングウェアのパンツで、今風のカジュアルな感じ。

そして特筆すべきは「超美人」だった・・・語彙力が貧弱なので上手く文字で表現できないが現実離れした透き通る様な美しさだった。

室生寺は奈良時代の創建で、その当時の美人というと正倉院の鳥毛立女とか、高松塚古墳壁画の「飛鳥美人」なんだろうけど・・・


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現代美人だった。


顔の美しさにも驚いたが、もっと驚いたのが全身びしょ濡れだった事。

スポーツウェアの格好からジョギングでもしていて汗をかいたのかな?と思われるだろうが、そんな生やさしい状態では無く、海やプールに潜ってザバッと出てきた直後みたいな、ちょっと引いてしまう程「ずぶ濡れ」だった。

奇妙なのは着ている衣服は全く濡れて無くて、顔や髪の毛などが濡れていた。

とにかくその女性に駅に向かう道を聞こうと話しかけた。

女性はキョトンとした顔で「駅ですか?」と聞いてきた。

俺は随分歩いて来ているので「室生口駅」で無くても、今いる場所から最短で行ける駅であれば隣の駅でも良かったので「電車の駅です」と答えた。

すると女性は「右に行って、右に曲がって、右に曲がって、左に行って…右に行くと駅です」と教えてくれたが、普通は「このまま50メートル程歩くと右側に倉庫が見えてくるので、その先を右に入る道があるので…」という風に説明すると思うが、右とか左とかしか言わない・・・なまじ聡明そうな美人だけに凄く違和感があった。

で、俺は教えられたとおり、歩いていた方向のまま先に進んだ。

暫く歩いて「あの女性は一体何処に行くんだろうか?」と思った・・・というのも、俺が延々歩いてきた道には店も民家も無かった。

振り返ると、女性の姿はなかったというか、消えていた。

これが俺が女性と別れて数十秒後に振り返った景色だけど、何処にも隠れる場所も逸れる道も無い。


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当時は霊験灼然な龍神信仰の聖地を歩いた事で不思議なことに麻痺していたのかもしれないが、この時の体験は時間の経過と共に不思議感が増している。

また龍神様に会いに室生に行きたいのだ。