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Cruel Alternative [My performance Archives]

何度もリメイクした曲

俺が作った曲や演奏したモノに関する「秘話」や「物語」を蔵出しのてんこ盛りでお届けする「My performance Archives」、今回は1998年にフランスのMusea Recordsから発売されたコンセプト・アルバム「ファンタージェン1998」収録の「Cruel Alternative - 魔王の法廷」にまつわるお話。


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俺の場合、作った曲がバンドで正式なレパートリーとして採用になる確率は高い方だったと思うが、日の目を見ずに消えてしまうボツ曲もあった。

ボツ曲になる原因で多いのが曲制作時でのメンバーチェンジで、初期MargeLitchのツインリードギター編成期に作っていた曲も、完成前にもう1人のギターの小菅氏が脱退したのでボツになった。


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左からGu.小菅 Ba.Kyo Vo.世良 Dr.長倉 Gu.横山 目黒鹿鳴館 ※ドラムセットのバスドラムが超ロングサイズです!!   


俺はソロの組み立てに関しては拘る方なんだけど、それを「気に入る」となると非常に少なくて、気に入らないからと何度もソロ部分を差し替える曲も少なくなく、MargeLitchの「MargeLitch」という曲のギターソロは数え切れないほど差し替えていているが、今回紹介するボツ曲のギターソロはゴキゲンにはまった珍しいケースで、それがボツになったので凄く残念だった・・・。

・・・そしてMargeLitchの「魔王の法廷」という曲も「ソロが決まらない」曲だった。

ファーストアルバム「ファンタージェン」制作時に何通りかのギターソロを考えたがどれもイマイチで、ギターで考えると何も浮かばないので、思い切ってギターでは無くオルガンとピアノの掛け合いにしてスリル感を強調することにした。


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「ファンタージェン」の録音は俺がギター、ベース、キーボードを弾いていたので大変だった。

という事で、まずはファーストCDの「ファンタージェン」から魔王の法廷のリミックスバージョンのデジタル・リマスターでソロ部分の抜き出し。

1990年の録音で、メンバーは(Vo.世良 Gu,Ba,Key.横山 Dr.長倉)。





その後、1992年にメイド・イン・ジャパン・レコードで「魔王の法廷」だけ再録音する事になり、当時のMargeLitchはキーボードがいない4人編成だったので、レコーディングではキーボードパートをヘルプで小門氏(EX:White Fang)が参加してくれているが、ソロはギターで弾ききるアレンジに変更したものの・・・全然ダメだった。

こちらはトラックダウン前のラフミックス版のデジタル・リマスターでメンバーは(Vo.世良 Gu.横山 Dr.長倉 Ba.後藤 Key.小門)で、ラフミックス・テイクなので結果的に採用にならなかったMinimoogの音なんかもガンガン入っている。






それから時は流れ、1998年に再び「ファンタージェン」をリメイクする事になった。

で、魔王のソロをどうしようかとなったが、全く何も浮かばなかった。

そこで上記で紹介した「ボツ曲」のソロのアイデアをそのまま移植する事にし、魔王の法廷に当てはめた。

まず「ファンタージェン1998」の魔王の法廷の「バッキング・ラフミックス版」で、演奏は(Gu.横山 Ba.神保 Dr.長倉)。






で、トラックダウンを終えた「マスタリング前」のマスター版(非加工)、演奏は(Vo.世良 Gu.横山 Key.竹内 Ba.神保 Dr.長倉 Cho.上野知己)。





という事で、「魔王の法廷1998年版」のソロのイメージの元ネタのボツ曲を紹介します。

1989年9月の録音で、未完成の曲なのでタイトルは不明、演奏は(Vo.世良 Gu.横山 Gu.小菅 Dr.長倉 Ba.関Kyo)、魔王の法廷のマスターテープの後に全員曲うろ覚え状態のリハーサル風景を聴かせるのも気が引けるんだけど・・・まぁ、聴きたい人は聴いてください。







では最後に「魔王の法廷」のライブ映像。

動画は1997年11月1日、東京吉祥寺SILVER ELEPHANT「ジャパプレッシヴバトル97」という企画での演奏で、演奏は(Vo.世良 Gu.横山 Key.竹内 Ba.神保 Dr.長倉)、映像は2カメ パラ回しで、音声はPA卓から直のLINE録音DATからのデジタル・リマスター。





しかし、こうやって時系列で辿ってみると、曲を作った当初は「ソロが決まらない」と困っていたが、結果的に何度もリメイクしたのでネタには困ったと思うのだ。