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必要なモノ [ギターの話題]

ソロの音色




最近は同時進行で複数の作品を作っている。

ある曲制作にとりかかると別の曲に対するアイデアが出てきて、それを忘れないように後で聞いても判るレベルで断片だけでも作ろうとやっていると、更に他のアイデアが出る。

この現象は昔から同じで、これを続けるだけでアルバム1枚位の楽曲は一度の作曲で出来る。

ただ、いまやっているのは作曲では無く、これからのDTM制作でも一番重要な「ギター録音」に関するデータ収集なので、漠然と無から有を作り出す作曲なんかより楽しい。

今更自分のギターの幅を広げようなんて気は更々無いんだけど、これまでのキャリアで余り深掘りしなかった「シングルコイルピックアップ・サウンド」と「非HM/HR系サウンド」に着手している。

今回のテーマはエモーショナルに弾くって事にしたんだけど、題材はピンク・フロイドのギルモア御大で、俺なりにギルモアの胸熱ギターはブルージーなソロの弾きにあると分析した。

昔の俺のソロ時のサウンドに関しては「EMGピックアップ+FLOYDROSE」ギターとソルダーノが織りなすハイゲインサウンドだったけど、現在はプリアンプからPCに直刺しという事で頑張っている。

DTMでギルモア先生の雰囲気で弾いてみたが、これが想像以上に難しかった。

ある程度録音した後で、ピンク・フロイドを聴くとギルモア先生のプレイはかなりアッサリ味に聞こえる。

これは音か?と、プリアンプのGAINを下げて弾こうとすると、力が入らない。

ある程度アンプが歪んでくれないと、負荷が掛からないので空回りみたいな現象が起きる…段ボールの箱を重いと思って持ち上げると凄く軽くてひっくり返るみたいな。

ピッキングしても引っかかる所が無いのでツルッと滑ってしまう感じ。

で、恐らく俺にとっての歪みという引っかかりの突起が、クリーン派には歪み以外の部分にあるんだと思う…それが何か判らない。

もしくは、ソロで表現する「モノ」がそもそも違うのかも知れない。

俺の場合、ピンク・フロイドの「スローテンポ」で、しかもブルージーに弾くとなれば自然と「泣き」方向になる。

そうなると、プレイが感情的で、それに歪みが加われば非常に暑苦しくなるが、ギルモア先生のプレイはクールに冷めていて控えめ。

俺が文字数の多い文章なら、御大は俳句みたいな隙間だらけの世界。

俺の大阪丸出しの熱々の串カツとマヨネーズべっとりのお好み焼きに比べて、御大は京都の漬け物と湯豆腐みたいな。

それでも御大を真似ていて想像以上に収穫は多かった。

それは御大越しに見えた等身大の今の俺自身だった。

サラッと間が取れる御大は凄いけど、俺は泣かないブルージーなギターは弾けないという事が判った。

ただ、熱く弾くとピンク・フロイドでは無くなってしまう…そこを歪みを抑えたシングルコイルで緩和できないだろうか?

相手がコピー曲なら、合わせるのは俺なのだ。