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夏休みの思い出 [日々のあれこれ]

クヌギの木




ここ最近妙に暑いなと思っていたら、いつの間にか梅雨が明けていた。

夏到来なんだけど、こうなればオリンピック期間中はオリンピック貴族なVIP観客共が次々と熱中症で倒れる記録的な猛暑になって、閉会式には巨大台風東京直撃とかになれば良いと思う。

現在東京湾は壮絶な赤潮で水が真っ黒で、お台場は泳ぐどころか何らかの競技を行える状態ではない。

今更だけど、本当に東京五輪は行われるのだろうか?

夏と言えば子供達は夏休みだけど、コロナだから自宅からでれないのだろうか?

夏休みといえば想い出すことがある。

小学生の頃、俺の親友だった「きむやん」と一緒にクワガタを捕りに行った時のこと。

裏山の松尾山の中腹にクヌギの木があって、木から密というか樹液が出ている所に昆虫が沢山いる。

子供の脚力では無理な極端な松尾山の上り坂を、汗びっしょりで自転車を押して登った。

クヌギの木に行くと、カブトムシとかクワガタが数匹止まっていた。

嬉しさで笑いながら虫かごに入れていると、巨大なクマバチが飛び込んできて慌てて逃げた。

昆虫図鑑を見たわけでは無いので、クマバチかどうかも怪しいが丸々と太った巨大な蜂で、重低音の羽音が大迫力だった。

刺されれば死ぬと思ったので、飛んで逃げた。

夏休みのある日、同級生のOも加わってクヌギの木に行こうという事になった。

Oは俺たちの中ではインテリというか、勉強が出来て何でも知っている学級委員長候補みたいな存在だった。

自転車を止めてクヌギの木に向かっていると、きむやんが「ギャッ!」と叫んだ。

俺とOが振り返ると、きむやんが地面に伏せていた。

近づいてみると沢山のハチがきむやんを襲っていた。

クマバチよりワンサイズ小さなハチだった。

俺たちはワー!と声を上げてきむやんを刺しているハチを追い払ったが、刺された痛みと恐怖できむやんは地面に張り付いて泣き叫んでいた。

Oが「ハチに刺されたときはアンモニアや!」と言い出した。

アンモニアなんて無いので、Oの指令できむやんにおしっこをかける事になった。

2人で地面にへばりついて火が付いた様に泣き叫ぶきむやんにおしっこをかけ続けたが、無駄に凄い量だった。

おしっこで全身びしょ濡れのきむやんはクワガタどころでは無く、号泣しながら家に帰ると言い出した。

俺たちも仕方なく、帰る事になった。

きむやんは泣きながら、自転車で凄まじく急角度の坂を凄いスピードで降りていった。

あの時は、きむやんには申し訳ないが、俺はクヌギの木に行きたかったのだ。