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2021 MotoGP第9戦オランダGP [モータースポーツ]

ヴィニャーレスPP




フリーからヤマハが好調。

前回最下位のヴィニャーレスが今年初のポールをゲット、僅差でクアルタラロが2位。

ホンダ陣営も中上が4位に入るなど好調だったが、前回優勝のマルケスはFP2で激しく転倒するまでは絶好調に見えたが、その後シオシオになり20位で予選を終えた。

FP2でのマルケスの転倒は、コンピュータ制御になってからは珍しくなった後輪が滑った瞬間にグリップして吹き飛ぶ強烈なハイサイドで、まるで2スト500時代を想い出させるような空中高く放り投げられて激しく路面にたたきつけられた。

マルケスの転倒といえば、何処までタイアがグリップするかを試すためにわざと攻めすぎてフロントから滑って自分もそのままサンドトラップをスライディングしていく「想定内の転倒」が定番だったけど、今回の様なのは記憶にない…とにかく激しい転倒だったが、そもそもマルケスの人間業とは思えない奇跡的なコーナリングはトラクションコントロール機能のフル活用なので、この手のトラブルは表裏一体。

相変わらず直線で爆速のドゥカティは、バニャイアが3番手に入った。


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毎年ダッチ・ウェザーが心配されるアッセンだが、決勝は快晴のドライコンディションで行われ、スタートを決めたクアルタラロがトップ、バニャイアに中上が続いた。

ポールのヴィニャーレスはオヤクソクのスタート失敗で、1コーナーまでの直線でクアルタラロにマシンを寄せて接触させるのが精一杯で、クアルタラロがホールショットを奪った。

一時バニャイアがトップに立つも、即クアルタラロが抜き返して一気にペースを上げ、後続を引き離しにかかった。

レース中盤からドゥカティの動きが緩慢になり、バニャイアがトラックリミットを超過したことによるロングラップ・ペナルティが科される。

独走となったクアルタラロは、2位のヴィニャーレスに平均3秒のリードを保ちながら悠々とゴール、ヤマハは今季初めてのワン・ツーフィニッシュ。

3位には、10番グリッドから7つポジションを上げたミルが入った。

さて、MotoGPはこれから1ヶ月間のサマーブレイクに入る。

今回も転倒リタイアで終わったロッシの来期はサマーブレイク明けに発表されるらしい。

ペトロナスはロッシとの契約で、今年の成績が悪ければ来年は別のライダーを選ぶ条項が入っていて、既に来期のラインナップの候補が話題になっているので、ロッシの来年に「ヤマハ残留」は無いと思うので、あとは「引退」か「ドゥカティ搭載のVR46チーム」で走るしか選択肢が無い。

VR46チームのメインスポンサーであるサウジアラビアの石油会社「アラムコ」のアブドルアジーズ・ビン・アブドゥラ・​アール・サウード王子はロッシのVR46への移籍を歓迎している。

もしロッシがVR46に移籍すれば、もう1人のライダーはルカ・マリーニなので兄弟で走ることになる。

一方、来期もヤマハファクトリーと契約しているヴィニャーレスが、来期アプリリアに移籍する。

これで来期アプリリアでの復帰がささやかれていたドヴィツィオーゾの話は無くなった。

ヴィニャーレスの空いた席には、現在怪我の治療で欠場中のモルビデリが入る模様で、そうなればロッシは完全にヤマハとは切れない感じだけど、俺がジャービスだったらオリベイラに声を掛ける。

アプリリアにはヴィニャーレスが過去にスズキでチームメイトだったアレイシ・エスパルガロがいるが、それにしても都落ち感は拭えない。

これは前戦で自分は最下位でチームメイトは表彰台という、クアルタラロとのガチンコ実力勝負で敗北したという事なんだと思う…2010年に絶対王者だったロッシがガチンコでロレンソに負けてストーナーしか乗りこなせなかった不安定なドゥカティへ去ったのと同じだと思う。

俺はヤマハのバイクにも沢山乗った事もあって、昔からヤマハファンでロレンソとクアルタラロを熱狂的に応援しているが、ヴィニャーレスに関してはスズキ時代から過大評価されすぎだと思っていた。

ヴィニャーレスは雨に弱いとか明確な弱点がハッキリしていたので「未来のチャンピオンライダー」には見えなかった…ヤマハだから時々優勝できただけで、来年からは「ドゥカティにいたから優勝できた」ペトルッチみたいな存在になりそう。

ビニャーレス同様、今期でヤマハから出て行くロッシだけど俺は引退が良いと思う。

マシンの状態が悪いときはそれなりに後方で走れているが、どうかしてマシンが速くなると必ず転倒している…今回の高速コーナーでの転倒は非常に危険だった。

結果知って言うわけではないが、ロッシは2010年でロレンソとのガチンコ対決で敗れた時点でもうチャンピオン獲得は難しくなっていた。

2010年は、ロレンソがシーズン前にポケバイの事故で手の骨2本を骨折してテストに参加できず大ピンチで、前年チャンピオンのロッシは万全のスタートを切ったかに見えたが、第4戦、地元ムジェロのフリープラクティスで高速での転倒により脛骨を複雑骨折し、その後短期間で奇跡的に復帰するも何かが違っていて、極めつけが秋にモトクロスの練習中に負った右肩の怪我で精密機械の様だったドクターの走りが完全におかしくなってしまった。

2010年を怪我に始まり怪我に終わったロッシに対し、シーズン後半ペドロサに競り勝ったロレンソがチャンピオンに輝き、翌2011年はロッシのドゥカティ移籍でホンダに移籍したライバルのストーナーがチャンピオンを獲得して、完全にロッシの時代は終わった。

あの時点で引退しなかったのは、ロッシ個人の並外れたバイクレースへの情熱もあるが、世界中で人気がある伝説のライダーなので主催者やスポンサーが引き留めた部分もあったのかもしれない。

ただ、今回の危険な速度での転倒を見て、今すぐにでも引退させるべきだと思った。

一方、FP2で激しいハイサイドの影響が心配されたマルケスは予選20位から好スタートを決め7位でフィニッシュなので、全然悪くなかった。

ただ、これまでマルケスという看板で蹴散らしてきたが、今回はレース後半競っていたアレイシ・エスパルガロに強引にインに突っ込まれていた…もうマルケスだからと相手が怯まなくなっていて、少し接触したみたいだが、そんなのはこれまでマルケスが散々やってきた事。

マルケスはこのまま順調に回復すれば復活すると思う…今年後半に初チャンピオンのプレッシャーが掛かるクアルタラロに、気楽で最速のマルケスが仕掛けるのが目に浮かぶが、最近見られなくなっていた壮絶なバトルになるだろう。

レース後のクアルタラロのコメントが良かった。

チェッカー後のクールダウンラップでバイクから降りたクアルタラロは、ロレンソのようなゴルフパフォーマンスをやっていたが、インタビューの最初の発言が「ゴルフを練習します」だったのは、かなり精神的にも余裕があると感じた。

凄く乗れているので少々マシンが暴れても意に介さない…こういう時のライダーは無敵。

休み明けが今から待ち遠しいのだ。