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古い日本のSF映画 [日々のあれこれ]

過去から見た未来を未来で見る



最近はNetflixで昔の日本のSF映画を見ている。

例えば1960年制作の映画が1990年を描けば、かなり未来の事だ。

俺は1990年代を知っているが、1060年に居た彼等には30年も先の未来で、映画では2021年ですら達成していない科学文明の世界になっていて面白い。

1968年に公開されたキューブリック映画「2001年宇宙の旅」も1960年代に2001年の事を予測した映画だけど、2021年現在でも映画の内容程地球の科学文明は発達していない。

木星にハルというコンピュータを搭載した有人探査ロケットを送るどころか、アポロ以来月にも行けていない。

でも俺はジュール・ヴェルヌ作品を楽しむ感覚で、過去が描いた未来を、更に未来から見るのが好き。

1950~60年代当時のSF映画は怪獣映画以前の、江戸川乱歩風の怪奇モノが主流で、1958年公開の「美女と液体人間」は佐原健二と白川由美、1960年に公開された「ガス人間第1号」なんて三橋達也と八千草薫が主演とかなり豪華なキャスト。

ほぼ全ての作品に特技監督として円谷英二が参加していて、俳優や特撮のアイデアはカラーと白黒で順番は逆だけど、その後制作された「ウルトラQ」に登場する。

例えば「美女と液体人間」の主演の佐原健二はウルトラQの万城目淳だし、毎日新報社会部の編集長である関デスク役の田島義文も刑事役で登場するし、液体人間がゼリー状の液体となって動くアイデアは、ウルトラQではケムール人が登場する「2020年の挑戦」で使われている…公衆電話のボックスに現れる所まで同じ。

古いSF映画マニアの俺は、「ああ、このアイデアはあの作品にも使われていた」と思いながら見るのが楽しいのだ。