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年を取らない男 [日々のあれこれ]

不思議な人



YOUTUBEのサムネイルにダグ・アルドリッチの姿があったのでクリックすると2015年のグレン・ヒューズとのライブだった。

動画は観客席からスマホで撮影したモノだったが、カメラの揺れも少なく音も良かったので楽しく見たが、ダグよりグレン・ヒューズのベーステクニックとボーカルが最高だった。

見ていて何かがおかしい事に気がついた…グレン・ヒューズって俺が子供の頃からいなかったか?

確か、高校の頃橿原に住む音楽鑑賞仲間のS君に貸したDEEP PURPLEの輸入盤のライブ盤「メイドイン・ヨーロッパ」を買った時、既にDEEP PURPLEは解散していた。

俺の高校時代のリッチー・ブラックモアはレインボウだった。

時系列の記憶が曖昧なので調べてみると、グレンがパープルに加入したのは1973年、グレンは1951年8月生まれで現在69歳、ダグ・アルドリッチとのライブが撮影された時も余裕で還暦を過ぎているが、チューニングは半音落としているものの年齢による衰えは皆無で、往年のハイトーンは下手すれば元気がありすぎて「やり過ぎ」だったパープル時代より良い。

グレンと同じ年のデイヴィッド・カヴァデールも、ホワイトスネイクの初期から歌は声が出ずヘロヘロになのがオヤクソクだったけど、そういえばグレンのヘロヘロって見たことがない…いつの時代も常に大張り切りだ。

もっと最近のは無いか?と探すと2018年のDEEP PURPLEモノを見つけた。

やはり半音落としているが、歌は1970年代より良い感じ。

70年代のグレンは第4期PURPLEでは汚く太ってしまって、80年代になってブラック・サバスで歌った後ヨーロッパのジョン・ノーラムと活動中にドラッグの問題でスウェーデンから強制退去を命じられている…普通はここで終わりだが脱ドラッグのリハビリを行って1991年に再デビューする。

恐らくコロナで3年前の映像が最新だと思うが、とても70近い高齢者には見えない。

ハイトーンを売りにしているボーカリストは損している。

最初から高い声が出ないロニー・ディオやポール・ロジャースとかは年老いても劣化感が少ないがハイトーンが売りな人はハイトーンが出なくなると厳しい。

ハイトーンといえばロバート・プラントなどは1973年の映画「永遠の詩 (狂熱のライヴ)」の時点で既に1曲目の「Rock and Roll」が残念なフェイクで別の曲になってしまっている。

グレンと同じ年のロブ・ハルフォードもJudas Priestを脱退後のFIGHTを今は無き新宿厚生年金のライブを見に行ったが、かなり厳しそうで…最近はもう往年のハイトーンは出ない。

未だに凄いと思うのは、グレンやロブより4才年上のグラハム・ボネット位しか思い当たらないが、それも最近は「Hiroshima Mon Amour」のサビはベースの嫁が歌っている。

しかしグレン・ヒューズは違う、60才を超えてから凄くなっている。

PURPLE3期の自分のパートはもちろん、3期のライブで歌っていた2期のイアン・ギランの曲も普通に歌っている。

グレンより6才年上のギランは1990年代にはもうハイトーンは出なくなっていた。

1993年頃だったと思うけど、再結成PURPLEの来日が決まり「もうこれがリッチーの見納めかな」と思って代々木オリンピックプールのチケットを買って見に行くとまだ無名のジョー・サトリアーニが出てきてズッコケた事があったが、その時もうギランは高いキーが出ていなかった。

最近のグレンは身体もシェイプアップされていて動きがシャープだし、何よりも自分の持ち曲なのに声が出ない同年代のボーカリスト達と違って全盛期以上の余裕で歌っている…しかもベースを弾きながら!

ベースサウンドも「メイドイン・ヨーロッパ」の時の様にドンシャリで、煽りフレーズが超ゴキゲン。

最近、俺の「憧れのスター」達は皆老衰で死にかけているのに、何故かポール・マッカートニーとグレン・ヒューズだけは全盛期より元気。

これは物理の法則というか、自然の摂理に反しているのでは無いだろうか?

不思議なレジェンドだけど、いつまでも元気でいて欲しいのだ。