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アンプに見る時代のニーズ [日々のあれこれ]

流行に惑わされるな




ギターの音で、特に歪みのトレンドは1960年代辺りにプレキシサウンドが出現して以来何周も回って現在は多種多様な歪みで飽和状態になっている。

エレキギターの歴史にも、出音に古い・新しいというトレンドが介在した時期があった。

例えばチューブアンプの代表格のMarshallも真空管のパワー管で歪ませていた時代は、アンプの前段に何を挟んでもピーキーで気むずかしかったが、マスターボリュームが付いたJCM-800辺りから劇的に扱いやすくなり、JCM-900で歪み自体がモダン方向に変わったが、これはライバル社のMesa Boogieからの影響で、Marshallですら流行の歪みを追いかけていた。

確かに当時は「もうMarshallの音は古くさい」とか耳にした。

しかし、2010年頃から飽和になり、近頃はそれぞれのメーカーがそれぞれの音を追求するようになった。

これは楽器も同じで、イングヴェイが流行った当時の楽器屋は入り口付近にストラトが並んでいたが、最近はアンプ同様そういう流行も無い。

業界は流行って皆が群がる様な画期的な新しいトレンドを捻出したいんだろうけど、もうスーパーギタリストとかがもてはやされる時代では無い…メジャーでテクニックで売っているギターなんかよりYOUTUBEで弾いている素人の方が上な時代。

だからアンプの世界も何周も回って最近はビンテージの復刻版が目立つ…新しく開発するより、昔のモノの良さを見直す感じで、カセットテープまで「見直され」ていて中古のメタルテープが高額で取引されているが、良いモノは良いという本物志向で新旧が混在する良い時代だと思う。

今の時代は古いから捨てる時代では無く、使っていなかったけどもう一度引っ張り出して良さを再確認する時代だと思う。

業界が作り出す「すぐに廃れる流行」なんかに惑わされず、自分の価値観を優先させる時代だと思う。

俺なんかも最近は古いROCKTRONのPIRANHAを気に入って鳴らしているが、プレキシ系の音では歪みは多い方だけどモダンハイゲインな音は出ない。

でも、クランチ風にセットして、シングルコイルのストラトを鳴らすと…70年代によく耳にしたハードロックのギターサウンドが出て、俺はそれで満足している。

自分が良いと思えば良いのだ。