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将棋中継 [日々のあれこれ]

謎の解説者





日曜日の午前、時間があるときはコーヒーを煎れて将棋番組を見ている。

ガースー関係者のチャンネルでは無く、Eテレ。

やがて番組はトーナメント制の対戦の中継を始めた。

真ん中に磁石でくっつく駒が並んだ大きな解説用の将棋盤を挟み、左側に案内の女性が立ち、右側に解説の老人が立った。

対戦が始まったが沈黙が続いた。

時々女性が「この指し手は厳しそうですね」とか解説の爺さんに投げかけるんだけど、爺さんは「そうか、そうきたか」と唸るだけで黙ってしまう。

普通なら、解説者が「こういう場合はこんな展開があります」と言いながら、幾つかのパターンを磁石の駒を動かして紹介するんだけど、爺さんは解説者はそういう事をしなければならない事を知らないかの様に、完全なお客さん状態で対戦を眺めている。

時々「あ!」とか「えぇ~?」とか、爺さんの声が出る。

じれた女性が、こういう場合はどう対処しますか?と聞いても、ジジイは全く女性を無視して「あ、なるほど」とか、女性に尋ねられている事に気づいていない感じ。

俺は、「俺が知らないだけで、時々こういう解説者がいるのかも」と思って見ていたが、やはりどう考えてもオカシイと思い始めた。

そこで、スマホを取り出して5ちゃんねるの実況板にアクセスすると、凄まじい量の書き込みでごった返していた。

番組を見ている日本中の将棋ファンがジジイに総ツッコミを入れていた。

番組は、ジジイが全く何もしないのでカメラは解説側を映さなくなり、普段は時々切り替えるだけの対戦者側の映像だけになった。


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因みに、ジジイは最後まで他人事な態度を貫き通した。

日曜の朝から何とも言えない不思議モードだったのだ。