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成福寺の聖徳太子立像 [日々のあれこれ]

胎内に菩薩半跏像




奈良国立博物館が奈良県斑鳩町にある聖徳太子ゆかりの寺「成福寺」にある重文「聖徳太子立像」をX線CTスキャンで調べたところ、胎内から高さ約6・5センチの木造「菩薩半跏像」が見つかったと発表した。

菩薩半跏像といえば、平安後期以降に広まった太子を如意輪観音の化身とする信仰があり、確か中宮寺の本尊、飛鳥時代の菩薩半跏像も如意輪観音と呼んでいるが、それは平安時代以降の名称で弥勒菩薩というのが正しいそうで、「太子建立七大寺」の1つである京都太秦にある「広隆寺」の中宮時の半跏像より新しい半跏像も弥勒菩薩と呼ばれている。

斑鳩町の成福寺は、平安時代に聖徳太子が晩年を過ごした「飽波葦垣宮」の跡地に創建され、寺は残っていないが宗教法人としては現在も存続しており像を保管しているそうだ。

成福寺の近くにある上宮遺跡公園周辺は太子の従者と馬を葬ったと言われている古墳が二基あるなど、古代の歴史浪漫が凝縮された場所だが、実際観光で行くとなると法隆寺~中宮寺と、余程好きな人で法起寺か法輪寺のどちらかに行ければ凄いと思う。

斑鳩は交通が不便で、電車での移動なら法隆寺を丁寧に見て回るだけでフラフラになると思う…修学旅行生をかき分けながら金堂で釈迦三尊、五重塔~百済観音~夢殿辺りで力尽きると思う。

問題は法隆寺・中宮寺を見た後に法輪寺や法起寺に行くにはタクシーか、1時間に1本程度しか運行しないバスしか無いのでレンタカーを勧めるが、それでも上宮遺跡公園は無理だと思う。

というか、そこまで苦労して行ったとしても、公園に寺や仏像などがあるわけでは無いので、それなら発起寺や法輪寺から、矢田丘陵沿いにある松尾寺~矢田寺に行く方が良いと思う。

日本書紀編纂の舎人親王開山の松尾寺は、寺宝公開時なら円空作の役行者小角像や、随筆家の白洲正子が絶賛した千手観音像のトルソーなど珍しい仏像が見れるのでお勧め。

しかし、何故マニアックな成福寺の太子像をCTスキャンしたのか?と思ったら、奈良国立博物館で「聖徳太子1400年遠忌記念特別展 聖徳太子と法隆寺」が開催され、太子像も展示されるそうだ。

東京は去年、百済観音がコロナで中止になったので、是非そのまま上野にも来て欲しいのだ。