再び走る

動悸息切れの恐怖



あれは今年の、まだ暑い夏の日だった。

俺は駅前のスーパーで買い物を済ませてバス停に向かっていたんだけど、見るとバスが既に来ていたので走ることにした。

そして驚いた。

気持ちは走っているんだけど、身体が動かない。

数歩走っただけなのに、足の全ての筋肉に乳酸が詰まっている感じで、筋肉痛で足が動かせない感じ。

とりあえずフラフラになりながら走り続けてバスに乗った。

今度は呼吸が治まらない…動悸息切れだ。

自分でも異常と思うほど、ゼイゼイ激しい呼吸が何分経っても治まらない。

これは明かに非常事態というか、漠然とこのままだと死ぬと思った。

原因に心当たりはあった…コロナだ。

コロナ感染を防ぐ為に自己免疫力を上げようと栄養のあるものを喰いまくった為、太った事と自宅で動かなかったための運動不足が原因だと思う。

とにかくその時は運動とかが出来る気温ではないので、涼しくなり次第運動しようと思った。

ゆっくり走るジョギングと、早歩きでは歩く方が大変。

気温が下がった頃から早歩きをやってみた所、やはり数十メートル歩くと足全体が棒のようになった。

そこで、通勤で毎回地下鉄の１駅分を早歩きする様になった。

最近、再びあのときと同じ状況になった…遠くに見えているバスは今にも発車しそうだ。

走ってみたところ、足が軽くスイスイ身体が前に進む…マスクをしているのに、呼吸の乱れもない。

早歩き運動は効果があるのだ。