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手塚治虫 [日々のあれこれ]

どろろ[本]


最近どういうわけか、手塚作品を読みまくっている。

名作「火の鳥」や「どろろ」、最近は「ブラックジャック」を1巻から読んでいる。

どれも子供向けの漫画のレベルに一歩踏み込んでいて、大人が読んでも考えさせられる。

つまり、鉄腕アトムなんかを見ていた頃の子供の俺からすれば、手塚さんは大人だったけど、今の俺は手塚さんが今の俺より若い頃に書いた作品を読んでいるわけだけど、先生は若い頃から博学多才な天才だったんだなと思う。

今回改めて読んで面白かったのは「どろろ」だったが、負けず嫌いの手塚さんが水木しげるさんの妖怪の世界に挑戦した作品で、コンセプトもストーリーも良かったんだけど、最後はアッサリ終わってしまった…雑に切り上げた最終話が残念だった。

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これは天才手塚が、新人漫画家の水木しげるに対して「普段はそういう世界を描かないだけで、その気になれば画けるんだ」というだけで、元々手塚さんの中にそういうホラー的な要素が無かったんだと思う…手塚さんの中にあるのは、リボンの騎士の様な世界だと思う。

妖怪一筋のげげげの無骨な水木さんと、何でも軽く画けてしまう器用な手塚さんは対照的だけど、最終話を読むと手塚さんに「どろろ」の世界を描く思い入れは少なかったんだろうなと残念な気持ちになった。

ただ、ロマンチックな作品から、医師を通して人間を描くブラックジャックまで天才の頭の中は一体どうなっているのか?と1ページ毎に驚いている。

改めて読み直しても、手塚治は凄かったのだ。