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2019 第103回インディアナポリス500マイルレース [モータースポーツ]

シモン・パジェノー PP[モータースポーツ]


今年も待ちに待った世界三大レースの頂点、インディー500がやってきた。

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去年はどういうレースだったか全く記憶にないが、今年はマクラーレンのお笑いマシンでアロンソが早々にバンプアウトしてしまったのは残念だった。

予選から好調の佐藤琢磨を熱烈に応援!!

決勝は雨が心配されるほどの天気で、気温路面音頭共に車に楽な状況でのスタート。

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ポールポジションからスタートしたシモン・パジェノーがオープニングラップをトップで走行、予選から好調だった名門チーム・ペンスキーだけが他より一段上に見える。

パワーのシボレー、燃費のホンダの戦いだが、予選用の高ブーストでの差に比べ決勝用の低ブーストでは差は少ない感じ。

最初のルーティーン・ピットインで燃費の良い琢磨がリードラップを記録するも、ピットインでホイール取り付けのトラブルで再びピットインでラップダウンになってしまう。

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今年のインディーは路面温度のせいか、クラッシュが少なくイエローが出なかったが、燃費走行で粘りの周回を重ねていた琢磨がルーティーンに入った時、絶妙のタイミングでイエローが出て、同一周回に戻った!

解説の中野信治氏の語りが急変する…やはり琢磨は持っている。

時々入ってくる辻よしなりアナのレポートのタイミングが最悪だったが、それでもレース終盤へガンガン盛り上がって行くインディー500は、ラウダさん追悼レースなのに狭い道幅で抜けなくて隊列が気怠くグルグル回っている退屈なモナコGPなんか比べものにならない程ワクワクさせてくれるレースだ。

上手く例えられないが「アメリカの興奮」はギターで例えるならザック・ワイルドというか、刺激というリソースに強制的に興奮剤を振りかけるような、完全に麻痺して鈍感になっている感情を強引に興奮させるみたいな異常さがあって、インディー500はその典型。

短い直線の後にすぐコーナーが来てしまうF1と違って、乱気流の発生するオーバルコースを400キロ近いスピードで3ワイドで並ぶとかは、まさに常軌を逸した命を賭けた戦いそのもので、他のモータースポーツにおけるスリルの概念を超えている。

176周目、各車が次々とピットインすると、琢磨が2度目のラップリードを記録、その後琢磨がピットインした時に多重クラッシュ発生でレッドフラッグの中断となった!

セーフティカーが外れ188周目にリスタートになると、ロッシ、パジェノー、カーペンター、ニューガーデンを琢磨が追う!

残り10周で琢磨が3位に浮上、3台によるトップ争いとなる。

それまでマッタリしていた超満員のスタンドが大歓声になり、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ全体が揺れた…アメリカのお客さんは楽しみ方をよく知っている。

中継が、まるでモナコGPのセナ・マンセルの時の三宅アナの様に、実況アナが興奮しすぎて、中野さんが落ち着けと諭す!

198周目にロッシがパジェノーを交わしトップに出るも、199周目にパジェノーが逆転しホワイトフラッグ!

パジェノーが守り切り、インディ500をポール・トゥ・ウインで初優勝!!

背後にピタッとくっついて離れない2位のロッシを、直線でスリップに付かせまいとパジェノーがマシンを大きく振り続けていたのはペナルティーの対象にならないのか?と疑問に思ったが、400キロ近いスピードであそこまでマシンを振り回すのは相当のリスクなので、改めて帝王ペンスキーのマシンの仕上がりが他を抜き出ていたんだなと感心した。

インディー500は3位までが上がれるポディウムというのが無く、1人の勝利者と残りの敗者達で、表彰されるのは優勝者1人だけなのでレース後の琢磨の勇姿がみれなくて残念だけど、ラップ遅れから諦めずに粘って3位でゴールしたのは見事だった!

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誰がなんと言おうが、佐藤琢磨が世界でトップを争える実力を持った日本人最速ドライバーで、今年もその走りの牙が折れていない事を世界中に証明してくれた。

良かった!文句なし!最高!

「これぞレース!」という大興奮なインディー500だったのだ。