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Queenとフレディー [日々のあれこれ]

映画ボヘミアン・ラプソディ[カチンコ]


爆発的ヒットになった映画『ボヘミアン・ラプソディ』を俺はまだ見ていない。

確かにQueenにはメチャクチャ影響を受けたけど、俺なんかの場合はレコーディングでギター・オーケストレーションを導入したり、何十にも重ねた分厚いコーラスとして現れていて、Queenというバンドとしては、ごく一部の初期の頃に限定されている。

Queenがバリバリ活動していた当時の、俺の周囲にいるハードロック好き達は皆「クイーンはジャズまでだね」と初期クイーン以降の作品は評価していなかった…というよりジャズ以降のQueenに失望していた。

俺はもっと極端で、ルックスもハードロックだった初期の華麗なQueenが好きだった。

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ドップリ聞き込んだのは「オペラ座の夜」までで、「ジャズ」まではレコード盤とCDを持っているが、それ以降は持っていない。

俺のQueen熱が冷めたのは待望のライブ盤「ライヴ・キラーズ」で、思い入れたっぷりのメロディーの大半をフレディーお得意のフェイクでガッカリした事から始まった。

初期のQueenはロイ・トーマス・ベイカーとのきまじめな多重録音を駆使した独特のサウンドで、「ノー・シンセサイザー」というクレジットが誇らしかったが、やがてシンセを使った「フラッシュ・ゴードン」というくだらない3流映画をテレビで見て完全に興味を失った。

初期のクイーンは見た目も音もハードロックバンドだったのが、次第にハードロックから遠ざかっていった…ブライアン・メイだけが最初からのイメージを保っていたがジョン・ディーコンもロジャー・テイラーも次々と髪を切ってしまい、フレディーの独特のファッションは、もう俺にはついて行けない論外なモノだった。

髭に角刈り、裸足でホットパンツにランニングシャツに腰手ぬぐいは最早別のバンドだったが、それに反してQueenの人気は黄金期を迎えた。



でも、フレディーが亡くなって、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたフレディ・マーキュリー追悼コンサートをWOWOWで見た…ガンズ以外よく知らない人たちばかりで、最後にスクリーンに突然出てきた王冠をかぶったフレディーの映像を見て泣いた。

あのときに俺のクイーンは終わった…それ以降もポール・ロジャースとかのライブをテレビで見たけど、ノリが全然Queenでは無かった…ジョージ・マイケルだったら歴史は変わったかもしれないが、それでも誰もフレディーにはなれなかったと思う。

今はCDが売れない時代なので、もう初期Queenのようなコストの掛かるレコーディングは厳しくなるだろう。

そういう意味ではフレディーは最初から最後まで唯一無二な存在だった。

アイルトン・セナ同様、もう俺の心の中でそっとしておきたいのだ。