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地獄で仏 [日記]

一筋の光明[ぴかぴか(新しい)]

初めての場所で、周囲も全員見知らぬ人たちで、知識も経験も無くて何も判らない中を、ただ翻弄され、せき立てられて彷徨っていた。

絶望的な状況で周囲を見渡したとき、通路を挟んだ反対側に見知らぬ一人の老婆が目にとまった。

俺はその人を見た瞬間に、俺を地獄から導いてくれる守護天使だと察知した。

俺は脇目もふらず、全ての事を中断して老婆に歩み寄って話しかけた。

不思議なことに彼女の方から俺が知りたかった事を次々と話し始めた…それまで山積みだった謎が次々と溶解した…まだ、天は我を見放してはいないと思った。

彼女は俺が来る事を知っていたかの様で…俺は有名な画家が描いた心温まる仏像の絵はがきを沢山もらった。

文字通りの「癒し」が心に染みた…まさに大海の木片、有り難かった。

その後も俺は、自分が可能な限り最善を尽くそうと動き回ったが、俺一人が全力疾走出来る距離には限界があった…自分の無力さを思い知り、能力の無さを思い知った。

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慣れないことは矢吹ジョーのクロスカウンターの様に「2倍」堪える。

俺と最も長くバンドを一緒にやった相棒のまんぞを君が言った「降り止まない雨はない」が脳裏を横切った。

井の中から一歩外に出た世界は、想像以上に大変なのだ。