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法華寺 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

2018秋期見仏記 Vol.04[カメラ]


法華寺と、その隣にある海龍王寺は、まだ訪れたことがない寺だった。

ただ、光明皇后に関連して法華寺の名前が出てくるので、ずっと行ってみたい気になる寺だった。

恥ずかしいことに最近まで寺の場所も間違えていて、何故か喜光寺を法華寺だと思いこんでいた…以前阪奈道路を走っていて、間違った所から下に降りてしまった時に喜光寺の立派な門が見えた瞬間から勘違いしてしまった。

俺はこの手の勘違いが多くて、最近まで鎌倉の由比ヶ浜を、静岡市の駿河湾にある由比港と間違えていた…漁港の近くに浜があるんだろう位に思っていた。

因みに喜光寺は奈良時代に行基が創建した立派なお寺。


…ということで、近鉄大和西大寺駅からバスに乗って海龍王寺に参詣後、法華寺に向かった。

海龍王寺から徒歩で法華寺に向かうと、多くの案内が見えてきた。

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法華寺が見えてきた…法華寺は光明皇后の開基した門跡尼寺。

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拝観料を払っていると、係のおじさんから「初めてですか?」と声を掛けられ、丁寧に境内の拝観ルートを教えて頂いた。

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凛とした静寂の海龍王寺と違って、柔和な暖かみを感じた…そういうのも尼寺の雰囲気かもしれない。

境内をノンビリ歩くと左手に綺麗な護摩堂が見えてきた。

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そして本堂に到着。

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本堂に入ると、秋の御開帳で本尊の国宝十一面観音菩薩像を参拝することが出来た。

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思ったより小さく、右側に傾いて見えた。

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秘仏十一面観音は光明皇后様が蓮池を歩かれた姿を写したと言い伝えられている。


そして堂内で、お守り犬を購入。

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お守り犬とは光明皇后が考案されたもので、奈良時代から受け継がれている可愛い犬のお守り。

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今も寺伝どうりに尼僧の手作りで千年以上受け継がれている。

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法華寺の線香の灰などを利用して作られるので、数に限りがありいつ行っても買えるものでは無い。

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発送不可の電話で要予約らしいが、堂内の物販売り場で見つけたのでその場で即買いした。

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俺は、宗教の信仰で見仏をしているわけではないが、興福寺の八部衆の放つ独特の可愛さなど、他のどんな仏像とも違う光明皇后の温かい慈悲の世界が好きだった。

光明皇后は、正倉院御物の楽毅論によれば藤原不比等の三女で、正倉院の献物も大部分が光明皇后によるもの。

社会福祉の先駆者で病院や貧窮者や孤児のための施設、寺内に浴室を造り千人の衆生の垢を流された伝説がある。

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光明皇后が癩者の膿を吸ったという伝説がある浴室。

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月ヶ瀬村から移築された18世紀中頃の茅葺の光月亭。

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750種の花木・草花がある華楽園は、秋なので皆枯れていて残念だった。

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法華寺の建物としては最古の横笛堂。

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大満足で境内を出て、南大門に回ってみた。

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来るときは西大寺からバスで来たが、帰るときは万葉集にも詠われた佐保川の紅葉を見ながら近鉄新大宮駅までノンビリ歩いてみた。

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真っ赤な桜の紅葉に、一歩一歩癒されたのだ。