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海龍王寺 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

2018秋期見仏記 Vol.03[カメラ]


行楽の秋の奈良の寺は特別公開が多くて、何処に行こうか迷っていたが興福寺で修羅像の優しい顔を見て光明皇后の聖地巡礼に決めた。

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近鉄西大寺駅で下車。

近鉄西大寺駅は京都、大阪、橿原神宮方面の路線の分岐点。

駅は近年改修されてショッピングモールと合体して立派になり、上から線路を見下ろすと最多部分で6本もの線路が切り替えポイントでつながっていて、日本最多ではないか?とタモリクラブで紹介されていて全国の鉄道ファンに人気の駅らしい。

俺も大学に通うときは、この駅で乗り換えていた。

駅を出ると…

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俺が学生だった頃と変わらない雰囲気で、どちらかといえば寂れている感じ。

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バス亭に向かう…観光客でごった返す京都のバス停と違って、こちらはガラガラで中国人はいない。

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海龍王寺は法華寺と並んで藤原不比等の邸宅跡に建っていたので、降りる停留所は同じ。

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海龍王寺は光明皇后の皇后宮の北東隅に建てられたことから隅寺の別称がある。

地元では「奈交」と呼ぶ奈良交通の路線バスがやってきたので、間断なく喋り続ける地元の婆さん連中なんかと一緒にバスに乗り込む。

発車したバスは秋篠川を渡る。

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やがて1300年前の首都、平城宮が見えてきた…

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近くで見ると迫力があった。

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航空自衛隊奈良基地の受付は、屋根瓦で法隆寺夢殿風の八角堂になっていた。

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法華寺前バス停に到着。

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バス停の横にある海龍王寺に到着。

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調べると、海龍王寺は光明皇后の皇后宮の北東隅に建てられたことから隅寺の別称がある。

室町時代の山門をくぐると、一直線の参道。

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唐招提寺の奥にある様なビンテージな築地塀を見ながら進む。

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寂寂とした古い雰囲気が立ちこめている。

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拝観料を払って境内へ。

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手水舎の龍。

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会津八一の歌碑。

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国宝の五重小塔が入っている、西金堂。

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西金堂と五重小塔は、光明皇后宮内に残る唯一の天平時代建造物で、五重小塔は最初から屋内に安置されていて相輪を含んで約4メートルと小さいが、工芸品ではなく建築物として国宝に指定されていて、様式的には當麻寺の東塔より古く薬師寺の東塔より新しい奈良時代建築の様式を伝える重要な役割を果たしているそうだ。

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一切経蔵。

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本堂。

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本堂前の八角燈籠の獅子。

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本尊の十一面観音は、鎌倉時代の慶派仏師の作で、秘仏なので普段は厨子の前にお前立ちが立っているらしいが、今回は秘仏特別開扉期間中で 参拝することが出来た。

思ったより大きくて、よく見えた。

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海龍王寺の石川重元住職は…

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親交のあるみうらじゅんから「イケてる住職」という意味で「イケ住」の称号をつけられていて、本堂物販コーナーに座っておられた。

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堂内にはみうらじゅん師匠手書きの絵馬も置いてあった。


海龍王寺は静けさに包まれた小さな古刹だった。

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静かな場所にあるというのでは無く、意識的に太古からの静寂な空間を守っている印象を受けた。

静けさのおかげで、時間が奈良時代から止まっている感じがしたのだ。