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光陰矢のごとし [日々のあれこれ]

終活者の楽しみ[バッド(下向き矢印)]


最近ある私鉄沿線上にあるスタジオに入った。

初めて使う店で、中に入って機材の良さと綺麗なのに驚いた。

やはり新宿や渋谷みたいな放っておいても人が来る場所と違って、ちょっと外れた郊外はちゃんとしないと人が来ないんだなと思った。

驚くことに喫煙部屋まであって、待合いロビーは禁煙…新宿の某チェーン店の1階ロビーなんて未だにタバコの煙が充満している。

リハを終えて喫煙者達はタバコを吸いに行き、他はまだ楽器を片付けている時、俺は独りで缶コーヒーを飲みながらロビーのテーブルで駅で買ってきた時代劇の漫画を読んでいた。

暫くして隣のテーブルに誰かが座り、それから次々とメンバーが集まって来て、何処のスタジオのロビーでも交わされるような会話が始まった。

元気の良い若者達が、笑いながら今時の流行言葉で楽器とか、この前やったライブ後の打ち上げの話なんかをワイワイ騒ぎ出すのを、漫画を読みながら微笑ましく聞き流していた。

暫くして、俺のバンドの連中も次々と俺がいるテーブルに集まってきて、そろそろ居酒屋に動きますか?となったので、漫画をベースケースのポケットにねじ込んで、ふと先ほどから盛り上がっている隣のテーブルを見て驚いた。

若者達だと思っていたのに、全員が白髪頭の老人達だった…数十年前に若者達だった彼らが、浦島太郎のエンディングの様にそのまま年老いていた。

過激なロックバンドのポスターとかが所狭しと貼られている様な場所に楽器を持って集まっているから、彼らがバンドだと判るだけで、手ぶらで集会所にいれば誰が見ても老人会の集まり。

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俺がガキだった頃、ロックは若者の音楽だったけど、いつの間にかその時の若者が俺も含めて老人になってしまった。

今時のスタジオは老人のたまり場なのだ。