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2018MotoGP第11戦オーストリアGP [モータースポーツ]

マルケスPP[モータースポーツ]

ドゥカティ有利とされるレッドブル・リンクだが、予選でマルケスが本気を出した。

去年もここで優勝し、前戦優勝の好調を維持しているドヴィツィオーゾとの激しい予選は0.002秒の僅差でマルケスがポールを獲得した。

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ホンダとドゥカティの激しい戦いの舞台裏では、スッカリ落ちぶれたヤマハが前代未聞の公開謝罪を行なっていた。

これは、今年に入ってからロッシとヴィニャーレスが公然とヤマハを激しく批判し続けており、遂にヤマハのプロジェクトリーダーの津谷晃司氏がバイクのパフォーマンス不足についてロッシとビニャーレスへ謝罪を行った。

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ワークスメーカーがライダーに公の場で謝罪会見なんて始めて見た。

これには驚いた…ロッシなんて最後に勝ったのはいつ?という既に終わった老害ライダーで、加藤大次郎に恐れを成してホンダからヤマハに移籍してロレンソにコテンパンに負けてドゥカティに逃げたものの1勝も出来なかったのを、ヤマハとロレンソの温情で拾ってもらった奴でしょ?

年齢から見ても今の成績は老体に優しいヤマハM1のおかげ…慰安婦問題じゃあるまいし謝罪を受けたら速くなるのか?って話で、ロッシ皇帝の天文学的プライドの高さの為にチームの士気が底抜けに下げられている。

ましてや、センサーのトラブルか何か知らないがヴィニャーレス程度の実績でM1を批判するなんてあり得ない…ワークスのM1に乗りたいライダーなんて掃いて捨てるほどいるから、気に入らないならKTMにでも行けば良い、正直スミスにも勝てないと思う。

光輝く誇り高き名門チャンピオンチームが、たったの1年で並み以下に落ちぶれた!!

やっぱりヤマハはロレンソが乗らないとダメなんだと心底痛感する。



さて、決勝はドライコンディションで行なわれたが、予選が天気に振り回された為に各ライダーがバラバラのタイヤ選択となった。

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トップと僅かの差で予選2位のドヴィツィオーゾがスタートダッシュを決めてホールショットを奪った…まるでロレンソのロケットスタートを見ている様だった。

しかし、マルケスは前戦で2位のロッシにポイントを広げた余裕もあるのか、今回はポイント計算優先の会計士モードでは無く本来のむき出しの攻撃的な走りでトップのドヴィツィオーゾを追う。

ドヴィツィオーゾをパスしようとしたマルケスがコーナーで接触した所を、3位から見ていたロレンソが見逃さずにトップに抜け出た。

前後にソフトタイヤのロレンソは、いつもの先行逃げ切りに持ち込もうとするもマルケスに追いつかれて抜かれてしまう。

これまでのロレンソなら、柔らかいタイヤでの逃げ切りがダメなら、そのままズルズル後退というパターンだったが、解説の原田さんが褒めるほど柔らかいタイヤなのにマルケスに付いていった。

やがて3位のドヴィツィオーゾ以下が後方に離されていき、ドゥカティの2人とマルケスの3強の優勝争いになっていく。

俺はトップに出たものの逃げ切れなかったロレンソを見て、3位の位置から冷静に両者の走りを見ているドヴィツィオーゾとマルケスの戦いになるか?と思ったが、ドヴィツィオーゾもロレンソに仕掛けるが抜けない。

レース中盤でも大きく離されないロレンソを見て「これはマルケスとロレンソのガチンコ勝負なのでは?」と思い始める。

路面温度からすればスパートが早いと思う18周目にロレンソがマルケスに仕掛け、19周目にトップに出る。

ロレンソとマルケスは激しく順位を入れ替える…ロレンソは独走1人旅というイメージが強いが、バトルの凄さが際だっていた。

2人のバトルを後方からタイヤを温存して観察している様に見えたドヴィツィオーゾが、残り10周辺りからコーナーでワイドになり遅れていく。

遂に優勝争いはロレンソとマルケスの一騎打ちに…バトルでは現在最強のマルケスに、ロレンソは何処まで仕掛けられるのか?

ロレンソとマルケスのガチンコ勝負…遂にこの時がやってきた!俺はずっとこれが見たかったんだ!

両者の走りは似ている…2トップが優勝を争う場合、無駄に競り合ってタイムを落として後続に追いつかれるよりは、どちらかが後ろについて自分の走りを相手に見せず、後半に相手の苦手な所でスパートを仕掛ける作戦が多いが、2人は隙があれば何処からでも行けるときに前に出るので激しいバトルになる。

残り3周、マルケスがトップに出るもロレンソが抜き返す!

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残り2周、マルケスがロレンソをオーバーテイク!

これまでなら「これで勝負あった」展開だけど、ロレンソは諦めない!

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最終ラップでロレンソがトップを奪い返した!これまで、ここまで「本気のマルケス」を抜き返したライダーがいただろうか?

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え~!マルケスがバトルで負けるのか!!

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マルケスはロレンソとのバトルを楽しんでいる感じで、相手の走行ラインは空けていて解説の原田さんも絶賛のフェアなバトルだった。

マルケスのマシンは限界走行の状態で、コーナー手前でリアを大きく外にスライドさせて肘が路面に付くほどマシンを倒していた。

一方のロレンソのマシンは、マシンを倒さないで上半身をイン側に入れる「リーンイン」のフォームでスムーズにコーナをトレースしているが、こちらもマシンはかなり滑っていた。

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走りのスタイルは違うが、両者ほぼ互角のバトルに見えた。

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俺は順位が変わる度に画面に向かって声が出た…モータースポーツを観戦していて声が出たなんて何年ぶりだろうか。

最終ラップは、抜く可能性があるコーナー手前で、マルケスはロレンソの背後に付けなかった…そして、俺たちのロレンソが今シーズン3勝目を挙げた!

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マルケスはホンダ向きのトラックで無い中でよく頑張った。

この日のマルケスは優勝を狙って打てる手は全て打っていた…これまでそういう状態の時は必ず勝ってきた。

「え!こんなところで抜くのか?」というマルケスの勝利の鉄板方程式を、ロレンソが真っ向勝負で打ち破った…こんなの始めて見た。

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これでロレンソは総合順位でドヴィツィオーゾを抜いて3位になり、ヤマハの謝罪会見なんて陰湿な公開処刑を見たところでは2位のロッシを抜くのも時間の問題だと思う。

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でも、ドゥカティは本当にロレンソを放出するのかな?ドルナを巻き込んで超法規的な裏技で引き留めないのかな?このまま行けば逃がした魚はデカ過ぎないか?

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俺はMOTO-GPを世界選手権と呼んでいた時代から見続けているが、今回は過去最高のレースだったのだ!