SSブログ

阪神 - 巨人 18.07/16~18 [阪神タイガース]

3タコ[野球]

セ・パ交流戦が行なわれるようになってからは意味が無くなった感のあるオールスターが終わり、プロ野球ファンが待ちに待った後半戦がスタートした。

阪神は聖地甲子園で巨人との伝統の一戦…地震や豪雨の被害が関西~山陽方面だっただけに、被災された多くの方々を勇気づけるためにも、阪神は何が何でも勝たなければいけなかった。

しかし、結果は3連敗…これ以上無いという無惨な惨敗に終わった。

阪神は糸井を欠いているが、巨人も坂本を欠いていた。

3連敗を喰らった金本監督は「巨人だけが相手じゃない」とコメントしたが、虚しい負け犬の遠吠えにしか聞えなかった。

確かに阪神は対巨人となると全力で戦うので、巨人戦で燃え尽きてしまってその後の試合に影響が出る傾向があるが、今回の試合は広島戦の3連戦中止から始まってオールスター休暇と「一体どれだけ休んだんだ?」と言いたい!

敗者は余計なことを軽々しく語るな!

07.18.01.jpg


阪神が、ここまで守備を捨てて、シーズン中盤になっても打線や守備位置を固定せず、相手投手の左右で日替わり打線を組んでまで打撃に特化させた超攻撃型のチーム造りに専念したのは初めてではないだろうか?

金本阪神より前は、阪神といえば投手力で勝負するチームだった。

ホームランが出にくい広い甲子園を上手く使った「打たせて取る」野球で、走れる選手が少ない代りにグラウンドの土を軟らかくして相手チームも走りにくくしていた…例外は赤星がいた時だけ土をガチガチに固めていた。

過去の優勝時をみても、投手出身の星野阪神はもちろん、長距離打者だったどんでん時代にもJFKという鉄壁のリリーフ陣が相手打線を見下ろしていた…JFK時代なんて相手チームは7回までにリードしていないと終了って感じだった。

金本監督はそういう有利性を捨てて、打撃に特化した超攻撃型のチーム作りに変えた…守備の良い中堅・ベテランを使わず、実績の無い若手をいきなり1軍のスタメンで使い…それを目の当たりにした守備の名手は他球団に出て行った。

しかし、ファンは先の見えているベテランを排除して、生きの良い若手がバットを無茶振りするのを見て喜び、聖地甲子園は常に満員で、これが金本阪神の方針を力強く後押しした。

前年ゴールデングラブを取ったベテラン選手のポジションを、実力で奪ったわけでもない若手選手に替える理不尽起用や、誰とも競わずに簡単に4番を打たせるなど、人気先行の勘違いする若手養成所になってしまった。

そういう方針が3年も続き、タイガースが破壊されていくのを横目に見ながら耐えてきたのも、一重に金本監督が説く超攻撃野球の魅力を信じたから。

ファンも去年の暮れに亡くなった星野さんも皆が信じた…耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ末の成果がいよいよ明確になってきた。

「超変革」という立派なお題目の前で理不尽に葬られた中堅・ベテラン選手達の無惨な屍の上に作り上げた、誇らしい金本打撃超特化チーム作りの結果は…長い伝統の阪神球団史上でも類を見ない程の「打撃不振」だ。

俺も長くタイガースを見てきたが、ここまで「打てない打線」は初めてだと思う…恐らく90年代の暗黒期より打てていないと思う。

過去に打撃不振の年があったとしても、それはディフェンス重視型のチームだったからであって、今回の様な攻撃特化の中での打撃不振とは意味合いが違う。


現在先発投手陣は無援護な試合ばかりで勝てない…西武に移籍した榎田は阪神時代と変わらない感じだけど既に7勝を上げ「先発をやることも考えていなかったので、想像以上の状況です」と笑っている…これは西武の打線が榎田を援護している結果。

勝ち星というのはこうして産まれる。

西武は現在首位を独走中…阪神も本当は鳥谷や福留が元気な間に盤石の土台を作らなければいけなかったんだけど、同じ土木工事でも3年掛けて自分たちが入る墓穴を掘っていた。

金本監督は取材する記者達に「どうやったら打てる? 教えてくれ…」と泣きが入ったらしいが、野球は陸上競技の100メートル走とは違って相手チームとの戦いなので、ミニマムな視点では選手個々の状態なんだろうけど、監督が見なきゃならないのは現在最下位に向けて急激に滑り落ちている「流れ」だと思う…相手次第でノムさんの言う「不思議の勝ち」だってあるんだから。

ただ、何度も繰り返すが反対方向に向かっていたかもしれないが、とりあえず3年間全力疾走してきたので、今更戻れない所まで来てしまっている。

まだシーズンは半分残っているので諦めるのは早いが、もし最下位で終わるのであれば一軍ベンチは監督も含め全員解雇に誰も異論を挟めないほど突き抜けたゲーム差で終わって欲しい…中途半端な成績で来期も横滑りというのが一番怖い。

とりあえず切り替えて、次の横浜銀行戦から調子を取り戻すのだ。