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西光院 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

北関東旅行2018 03[カメラ]

関東の清水寺と呼ばれている西光院に向かう。

レンタカーを飛ばし、茨城県石岡市西部にある峰寺山の中腹を目指す。

峰寺山は山と呼ぶには低く、奈良県の矢田丘陵と似た高さ…丘と山の違いは標高300メートルなので峰寺山は379.6メートルなので山なんだけど、矢田丘陵にある矢田寺とよく似ている…因みに矢田寺付近は340メートルらしいので、矢田丘陵も山という事になる。

ドリフト族が好きそうな、きついカーブが連続する道を車で登っていく…チンタラ走っていてはスケジュールをこなせないと、少しアクセルを踏んだらレンタカーのタイヤが付いてこないのは誤算だった。

山奥に「東筑波ユートピア」というレジャー施設みたいなのがあり、その先に無料駐車場があった。

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車を駐めるが…参拝客は誰もいない。

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可愛い門が、かろうじてここが西光院であることを知らせていた。

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西光院は平安時代初期の807年に京都の僧、徳一大師が開山した。

細い道を進むと左手に一見民家の様な庫裏があった。

庫裏の横に、田舎の消防団の小屋の様な縦長の背の高い建物があり「立木観音」と書かれていた。

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中を覗くと、約6メートルの立木観音菩薩像があった。

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石岡市教育委員会によると、元は山麓の吉生村の立木山長谷寺に安置されていた像で、平安時代のヒノキ材寄木造。

足下には台座の代わりに自然木の根を用いていることから立木観音と呼んでいる十一面観音。

巨像を見上げると威圧感の無い優しい雰囲気で、どことなく円空仏に似た素朴で暖かい印象を持った。

立木観音といえば、日光の中禅寺を思いだす。

更に道を奥に進むと、本堂があった。

閉まっているので何も見えなかったが、本尊は自然石の馬頭観音。

「関東の清水寺」とも呼ばれている通り、「舞台造り」と呼ばれる様式で建てられていて清水寺本堂の舞台に似ている。

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かなり痛んでいて、先端の方は立ち入り禁止になっている舞台からは眼下に広がる八郷盆地の眺めが素晴らしく、遙かに続く田園が見渡せた。

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晴天の日は霞ヶ関より遠く太平洋を望むこととができるそうだ。

山の奥深くの静けさの中に、ひっそりと佇む西光院。

こういう寂び寂びとした寺も味わいがある。

舞台から遠くを眺めていると、ここに来て良かったと思った。

西光院は雰囲気のある古刹だったのだ。