SSブログ

比嘉大悟 VS クリストファー・ロサレス [ボクシング]

WBC世界フライ級タイトルマッチ[パンチ]


比嘉の前日軽量での体重オーバーにより、ベルト剥奪という残念な事態になった。

比嘉は試合毎に減量苦が言われていたので、遂にやったかという感じだけど、世界戦で日本人王者が計量に失敗するのは初めてなので、今回の失態が如何に許されない事が良く判る。

チャンピオンでも対戦相手が弱いのばかりとか、王者として相応しい実力なのか?等々、色々言われた人は沢山いたが…それでも、あの亀田兄弟だってガリガリに痩せこけても軽量をパスしていた。

比嘉は浜田さんの連続KO記録に並んだのに、ここに来て全てを失ってしまった。

試合はテレビ放送の事もあるんだろうけど成立し、比嘉は試合に勝ってもベルト剥奪でチャンピオンは空位、挑戦者が勝てばチャンピオン決定というルールになった。

ジミー・レノンJrがアナウンスして始まったタイトルマッチは、開始直後からロサレスが手数で押しに押した。

ロサレスは比嘉より長いリーチなので距離を取るかなと思ったけど、頭を付けた接近戦で…つまり比嘉の距離で打ち勝っていた。

比嘉はリング登場から冴えない硬い表情で、セコンドも含め勝てる雰囲気で無く、タイトルマッチなのでとりあえず出てきたって感じだった。

比嘉が一発当てれば3発返される展開は、見栄えも悪かった…何もかも比嘉が後手に回る展開で、それをひっくり返すだけの覇気も見られなかった。

9R、比嘉陣営のタオル投入で試合終了…完全に打ち負けていた。

比嘉陣営が「勝てない試合」での、消耗戦による無駄なダメージを考慮しての棄権だと思った。

また、余力を残しての体重オーバーで無く、極限まで絞ってのオーバーだったので限界だったと思う。

04.15.01.jpg



最後までトコトンやらせても判定負けだったと思うが…比嘉が軽量をパスしていたらどうだったか?と言えばロサレスは微妙な相手だった。

ただ、振り返れば比嘉のこれまでの対戦相手も凄まじく強い選手はいなかったというか、弱い相手を選んできた感はある…もちろん具志堅さんは若い比嘉を勝ちながら育てて統一戦などに盛り上げていく戦略だったんだろう。

ボクサーは減量に強い人と弱い人に大別出来る。

リカルド・ロペスなんかは普段から節制しているのか、最初から引退まで体型が変わらなかった。

減量苦で実力が出ないので、減量をしない体重で戦う選手も多い…ディエゴ・コラレスも減量苦で階級を上げていたし、マニー・パッキャオなんて自分の身体が大きくなると次々と階級を上げていった。

しかし、普通は極限状態まで体重を下げて軽量をパスし、短時間で身体を戻して戦うのがボクシング。

その理由は、パンチ力は体重に比例するからで、素人には微弱な体重の差でもボクシングの世界では大きな差になる。

階級を上げると自分のパンチも強くなるが、相手のパンチも強くなる。

俺なんかの考えでは、ディフェンスがしっかりしていて、顎がタフで打たれ強いことが階級を上げても成功する条件だと思う。

比嘉は減量苦にならない階級で戦えば良いと思う…1つ上とかでは無く、思い切って数階級上げて体重の問題を背負わなければチャンピオンに返り咲ける逸材だと思う。

今回は残念だったけど、更にパワーアップした比嘉の再登場に期待したいのだ。