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葛井寺 千手観音 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

仁和寺展[ぴかぴか(新しい)]

トーハクで行なわれている特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」に行ってきた。

仁和寺展は既に一度行っているが、開催期間後半から公開される葛井寺の千手観音を見る予定だった。

前日、職場で行く日を決めかねていると、天気予報で午前中が雨と判って決行する事にした…天気が悪いと空いているはずだと、これはチャンスだと思った。

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職場でお気に入りのおやつを食べながらトーハクに行く日を模索


上野駅構内のチケットセンターで当日券を購入…ラッキーな事に雨は上がっていた。

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予報が当って朝方は都内のダイヤが一部乱れるほど強い雨が降ったので、動物園のパンダ行列は空いていた。

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トーハク前も全然空いていた!

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ネット情報では、葛井寺の千手観音が来てからは激混みらしいので、非常に助かった!

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いつも通り入り口付近の列には並ばず、上野公園のベンチに座ってやり過ごし、開館から時差を付けて中に入った。

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まず空海の書を見る…前回見たのと違って漢字の中に梵字が混じっていた。

細い筆で記号みたいな梵字が器用に書いてあった。


後は今回仏像に専念できるように、前回来たときに仏像以外のものを丁寧に見ていたのでザーっと見ながら早足で進む…俺と同じ様な進み方をするリピーターの人が多かった。

中央の物販スペースを挟んだ後半部分から、ジックリモードに切り替える。


残念な事に、ここでもマナーの悪い爺さんが婆さん達相手に大声でウンチクを披露していた…詳しく知りたければ音声ガイドを使え!と言いたいが、自分の知識に酔っていて周りが見えない。

とにかく何処に行っても、公共施設でマナーが悪いのは年金受給年齢の暇を持てあましている物見遊山な元気一杯の老人達だ。


さて、仏像は前回来たときに頑張って目に焼き付けたはずなのに、2度目も新しい発見があったり…恐らく体調やその日の気分にもよるんだろうけど見え方が違った。

だから俺なんかも一度行った寺にも何度も足を運んでいる…東大寺や法隆寺とかは何度行っても新しい発見がある。

撮影可の観音堂再現コーナーで、今回は古いコンデジだったけど一応撮影してみた。

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阿修羅像も三十三間堂バージョンだった


今回は巨大な福井県・明通寺の降三世明王がドーン!と衝撃だった…前回見たときは先に木の荒さとかに目が行ってしまって全体が見れなかったが、少し遠くから見ると悪夢に出てきそうなほどの大迫力だった。

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横に並んでいる「西遊記」に登場する沙悟浄のモデルの巨大な深沙大将も良かった!


こんなに凄い仏像がある明通寺って一体どんな寺なのか?と思って調べてみると、福井県の小浜という所から奥琵琶湖に抜ける県道303号線の途中から山奥に入った所にある。

その道は俺が高校の頃、ホンダ・モンキーという50ccの小さなバイクで走破した事があるが、東京に住んでいる限りは遠くて行けない場所だと思う。

下の写真は極寒の時期に、同じ高校の同級生でバイク仲間の「よーちん」と若狭に一泊ツーリングで行った帰りルートで、小浜から奥琵琶湖に抜ける途中の明通寺の近くで撮ったもの…背後に見える雪山を原チャリで抜ける大冒険だった。

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ホンダ・ダックスとよーちん、右側にある小さなバイクが俺のモンキー君


降三世明王といえば京都の東寺が有名だけど、俺は明通寺の方が迫力があると思う…つまり、この仏像が明王では最強だと思う。

両足で仏の教えに従わない神々の王「大自在天(シヴァ)」と、その神妃「烏摩妃」を踏み殺しているのも凄すぎる。

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そして遂に、葛井寺の国宝十一面千手千眼観世音菩薩坐像の前に立った…空いていた。

毎月18日以外は開扉されない秘仏で、実際葛井寺に見に行った人の情報だと、遠いのに加えて暗くて見えにくく、お寺に貼られている写真を見て帰ってきたそうだが、トーハクではLED照明に明るく照らされたのを目の前で見ることが出来た。

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日本に現存する千手観音像としては最古の天平彫刻を代表する名品で、葛井寺では厨子に納められているので横や後ろ姿は見れないらしいが、トーハクでは360度廻れるので頭上背面の「大笑面」を見ることが出来た。

1041本の手をもっていて、合掌する手以外の1039本の大小の脇手は、像の背後に立てた2本の支柱に打ち付けられており本体とは離れているが、正面から見ると像本体から千手が生えているように見える。

関東にやってきたのは江戸初期に品川に出開帳して以来なので、もう俺が生きている間に東京に来る事は無いと思う。

とにかく・・・凄かった!良すぎた!

しかも空いていたのがラッキーだった!

誰にも邪魔されず、好きな角度から心ゆくまで、納得いくま堪能することが出来た。

凄い仏像を見ると写真の限界を感じるが、この仏像もライブで見ないと良さは10パーセントも伝わらない。

俺みたいなのでも本場の奈良・京都で色々素晴らしい仏像を見てきたが…ため息しか出なかった。

これまで千手観音といえば唐招提寺だったけど…葛井寺の千手観音はちょっと別格だと思った。

死んだとき、この仏像が迎えに来てくれるなら明日死んでも良いなと思った…それ位良かった。

そろそろ帰ろうかと思うんだけど、立ち去りがたい…その場を離れたく無かった。


大満足で仁和寺展終了!!

最近はお守りコレクターになりつつあるので、物販コーナーで仁和寺のお守りをゲット!

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早速リュックに装着!


葛井寺の千手観音は凄すぎたのだ。