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大雪 [日記]

地獄だった[雪]

前日のニュースは大雪の話題ばかりだった。

ただ、毎年台風接近で大騒ぎするが、実際に来てみれば少し風が吹いたかな?位なので、今回の雪の事もマスコミがはしゃいでいるだけだと意に介さなかった。

しかし午後から雪が降り始めると、景色が真っ白になった…明日の朝が心配だと思った。

朝起きて、ネットで調べると西武池袋線は動いているとの事で、西武バスのサイトにアクセスしてもつながらないのが気がかりだった。

いつもの時間に外に出ると、約20センチの積雪で、タイヤのわだちを歩いて恐る恐るバス停に行ってみると、いつもの倍以上の人たちが長蛇の列を作ってバスを待っていた。

列の最後尾に並ぶが次々と後ろに人がやってきた。

時間になってもバスは来ない…皆スマホでバス情報を探している。

すると、誰かが情報を見つけたらしく、何処からか「運行中止!」という声が聞こえた…よく考えれば、バスどころか車が走っていない。

俺も含め、その場にいた全員が現実を受け止めるまで少し時間が掛かった。

仕方なく、そこから清瀬駅まで歩くことになったが、普通の状態で歩いても軽く30分は掛かる距離なので、簡単に「はいそうですか」と納得できる事では無かった。

最寄りの電車の駅から「更にバス」というのはハイリスクなのは俺も理解できているが、数年に一度しかないアクシデントなんかを理由に引っ越せない。

車が付けたわだちを歩くが、皆歩くのが速い…女性など如何にも滑りやすいブーツみたいなのを履いているんだけど、競歩の様な速さで進んでいる。

俺は一歩歩くごとに靴底が滑って転びそうになり、腰を落として重心を低くして歩いた…こういう時ガニマタの奴が羨ましい。

助かったのは気温がマイナス5度なので、雪の中に足を突っ込んでも靴が塗れない…改めて植村直己さんは凄かったんだなと思った。

足の速い人に先行させて、黙々と歩く…先行する人の後ろを追いかけたので、駅への最短ルートを歩けたのは助かった。

清瀬駅に近づくにつれ駅に向かう人が増え、大勢が踏み固めた雪が凍りの様に滑る。

一歩一歩踏ん張りながら歩くので、普段の倍以上歩くのがキツい…太ももがパンパンになる。

暑くて汗が噴き出るのでマスクを外し、ネット帽やジャンパーまで脱いで歩いた…マイナス5度の気温がエアコンの冷房の様で丁度良かった。

他の人たちはツルツルの路面でも滑らず颯爽と歩いているのに、俺だけが中腰になって蒸気機関車の様にゼイゼイ言いながら歩いている…恐らくコツがあるんだと思う、知りたくもないコツが。

なんとか普通の徒歩の2倍近い時間で清瀬駅に到着。

駅構内に入ると、誰もが我先にホームに走っていたが、俺はこの先何があるか判らないので行けるときに行っておけとトイレに入る。

ホームに停止していた快速に乗る…車内は「やや混み」の状況。
やがて動き出したが…徒歩のスピードと変わらない早さでノロノロ運転が延々と続く。

東久留米で大勢が乗り込んで来て、ひばりヶ丘で絶望的な混み具合になる。

俺の隣に立っているだけで汗をかいている凄く太ったサラリーマンがいたんだけど、そいつの前に座っていた人がひばりヶ丘で降りた!

デブは喜んで座ったが、宝くじに当たった様なものだ…こちらもデブが座ったので少し窮屈さが緩和されたというか、真横に暑苦しいのがいなくなって精神的に楽になる。

ってか、こういうときはJRの中央線の車両みたいに座席を無くして欲しい…座席のスペースが無くなれば、どれだけの隙間が出来るか!

石神井公園では降りる人が降りれなくなりそうだったが、皆冷静でトラブルはなかった。

駅では複数の駅員が同時にマイクで叫んでいるので、何を言っているかサッパリ判らない状態。

再びノロノロ動き出すが、練馬駅でどうなるのか?を考えると恐ろしくなったが、意に反して練馬で少し空いて、一息付けた。

俺は、池袋からアキバまでどのルートを選択するか?が生死を分けるなと思った。

考えに考え、雪に左右されない地下鉄を選らんだ。

有楽町線池袋駅のホームに降りてみると、いつもの3倍位の列の長さでごった返していた…そこに超満員の車両がやってきた。

何とか車両内に潜り込む…東池袋でドアが開いても誰も降りない。

そして護国寺で人生の激混み経験ベスト3に入る地獄モードに突入。

護国寺は普段のラッシュアワーでも乗り降りの少ない駅だから、ドアの前で詰め込む係員が居ないので、車内放送で「もっと奥に詰めてください!」とアナウンスしてドアが正常に閉まるまで開閉を繰り返す…ドアの所にいる人はドアが開く度に出たり入ったりの罰ゲーム。

江戸川橋でドアが開くと、「車両間隔が開いているので…」と言い出して動かなくなった。

ドア付近の人は外に出ていたが、その他はギュウギュウ詰めのまま…ってか、そこまで詰められるのは、後数分我慢すれば目的駅で開放されるという「期間限定」だからで、いつ動き出すかアナウンスの無い状態でのすし詰めは精神的に厳しい。

延々と何のアナウンスも無く、我慢大会が続いた…「車両間隔って何だよ?」とか、わざとやってるだろ!とか、蒸し暑いんだから冷房入れろ!とか思い始める。

俺は乗客が倒れない事を祈った…この状況で病人まで出れば完全にアウトだ。

俺はリュックを前向きに背負っていたんだけど、肩紐がゴムで伸びたみたいに2人程前の人の所まで引っ張られている…真後ろに張りついているオヤジの鼻息が俺の首に吹き付けてきて、ただでさえごった返す車内は蒸し暑いんだけど、更に不気味な暑さが加わって、もうひと思いに殺してくれ!って感じだった。

市ヶ谷で新宿線に乗り換えるが、そこから先はどういう現象なのか判らないが普段より空いていた。

アキバは清瀬に比べると、雪なんて無いに等しい初心者モードだった。

結果知って言うと、前日に職場に入って泊まった方が利口だった。


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しかし都心部の交通機関の天気への脆弱さは早急に改善するべき深刻さだと思う。

首都圏の交通機関は何が起きようと「まことに申し訳ございません」の軽い一言で済ませられるが、それは利用客の忍耐と優しさによって支えられているんだなと痛感した。

やっとの思いで、なんとか職場に到着したが…疲れ果てたのだ。