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理想的な音の旅 [ギターの話題]

ギターアンプ編[るんるん]

ギターアンプで「これは凄い!」と驚いた事が過去に何度かある…もちろん「これは使えない」と思ったことの方が圧倒的に多い。

最初に驚いたアンプは、忘れもしない大阪アメリカ村のスタジオにあったコンボタイプの小さなMESA BOOGIEで、JBLのスピーカー1発搭載のアンプで、余りの素直さと音の良さに驚いた…まだRectifierなんか無い時代だったけど、今でもMESA BOOGIEと聞けば良い音が出る高級アンプというイメージがある。

次に驚いたのは、大阪本町にあるスタジオでGuyatoneのPHILIP CONCERTを鳴らしたとき、買うならこれが欲しいと思った…素直で音の迫力が凄くて、当時の俺には魔法のアンプだった。

シミュレーターを使うようになってからは、アンプは単純にシミュレーターの出力を増幅する装置となり、それまで全く見向きもしなかったRolandのJCとかMarshalのリターンに突っ込むことになり、自宅とスタジオの落差の問題は無くなった。

それと同時にアンプに対して驚く事も無くなったが、ただ1つだけ、シミュレーターで気に入った音があった。

この音が「気に入った音」と遭遇した「最後」なので、俺の理想的なサウンドはこの時から変わっていない。

それはRolandのGP-100という「デジタルモデリング・ギタープリアンプ/プロセッサー」に組み込まれていた音で、その音はそれ以後使ったどの機材にも無い音だった。

ただGP-100には致命的な欠点があった…初代のPODと同じ「レイテンシー」という「遅れ」が大きかった。

デジタルアンプはギターのアナログ信号をデジタルに変換して入力し、作った音を再びアナログに変換して出力するAD→DA変換を行なうんだけど、その時にタイムラグが生じてしまう…出始めのデジタルアンプ系は特にこのタイムが大きかったし、今でも「0」では無い。

俺の持論だけど、デジタル技術は便利だけど突き詰めればギターアンプには適していないシステムだと思う。

しかし、当時の俺はGP-100の「レイテンシー」の遅れを逆手に取って、遅れないチューブアンプと同時に鳴らしたのをステレオパワーアンプで出力して、ディレイを使わない「天然ダブリング」として使っていた。


そんな最後に俺を驚かせたGP-100のサウンドを「遅れない」アンプで再現出来ないだろうか…。

そこでROCKTRONのVooDu Valveという骨董品を引っ張り出してみた。

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自宅での音作りなので、DTMのモニター環境を使ってみた。

ギターからAB BOXでGP-100とVooDu Valveを切り替えて、交互に鳴らしながら近づけていった。

08.13.02.jpg



相当な時間を掛けてみたが、完全に同じにはならないが「気に入っている特徴部分」は確保出来た…つまり許せる音に仕上がった。

他にも歪みを押さえるというか、無駄に歪ませないで「実際より歪んで聞える音」を追求してみた。

高域をジャキっとシャープにする事で、ザクザクと歪んだ音に聞える。


VooDu Valveなんて、もうど真ん中でポンコツのジャンク扱いなんだろうけど、最近のハイゲインに拘らないのであれば今時のデジタルモノのマルチよりは贅沢な音が出ている気がする。

この手の古い機材も、再確認というか改めて評価しても良いと思った…まだまだ使えるね。

スピーカーシミュレーターも付いているのでライン録音でも使えるかも…上手く行けばDTMでも使ってみたい。

デフォルトの歪み音は作れたので、他も仕上げてみるのだ。