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中禅寺 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

天邪鬼(あまのじゃく)[カメラ]

日光への旅行となると、いろは坂を登った所にある中禅寺湖が有名。

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ただ、中禅寺湖と名乗るからには、中禅寺というお寺があるはずだと思ってネットで調べてみると、何やら「天邪鬼(あまのじゃく)」という怪しげな奴がいるらしいというので、これは調査に赴く必要があると思った。

中禅寺は奈良時代の784年、日光山の開祖である勝道上人が船で湖を遊覧していた際に、湖上に千手観音の姿を感得し、桂の木に立木のまま刻んだ「立木千手観世音菩薩」を本尊として開かれた天台宗の寺院。



車を湖畔にある観光バスが並ぶ駐車場に駐める…観光客が多く、大半は白人だった。

湖の水は澄んでいて綺麗だった。

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中禅寺の波の音が聞えた。


中禅寺湖 投稿者 kiyogin


道路を挟んだ反対側にある中禅寺に向かう。

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拝観料を払って境内に入り、拝観順路の案内に沿って進んだ。

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本堂前に愛染堂があり、愛染明王像が安置されていた。

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波之利大黒天堂内では、日光開山1250年を迎え、秘仏「吉祥天像」が初公開されていた。

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勝道上人が、中禅寺湖に小舟を浮かべ巡拝しているとき、空からふわりと天女が歌が浜に降り立ち、優雅に歌舞を奉じて上人を称えた。

手のひらに宝珠を乗せた身の丈約60cmの木彫りの「吉祥天像」が、天女の姿だと言い伝えられているらしい。


立木観音堂では本尊の十一面千手観音が安置されている…カツラ材の一木彫で、観音像を作るときに木を切らずに作ったそうで、未だに根があるらしい。

明治35年に、暴風雨により起きた男体山の山津波により中禅寺湖に流されたが、3日後奇跡的に浮かび上がった事で、苦難や災事を乗り越える力を与えてくれるとの信仰を集めるようになった。

立木観音堂内で販売されている「財」を授けていただく御守を購入。

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五大堂は御祈祷の道場で、五大明王が安置されていた。

堂を出ると眼下に中禅寺湖が一望できる素晴らしい眺めだった。

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寺の周辺は野生の猿がいるらしいが、今回の日光旅行では一度も遭遇しなかった。

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さて、中禅寺探訪の主目的である「天邪鬼」は立木観音堂の前で、興福寺の龍燈鬼みたいに燈籠を頭の上に乗せた格好で座っていた。

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角が2本ある。

天邪鬼は民間説話に登場する妖怪で、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場する。

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お坊さんに中禅寺での天邪鬼の立ち位置を聞いたところ「邪鬼です」と教えて頂いた。

天燈鬼・龍燈鬼が立ち上がっているのに対し、中禅寺のあまのじゃくは四天王に踏まれている邪鬼と似た感じ。


境内を散策してみた…鐘楼には「願いの鐘」があり、参拝客も鳴らすことが出来る。

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鐘を撞いてみたが、素晴らしい音色だった。

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延命水というのがあったので飲んだ。

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門は外側が阿吽の仁王が立ち、内側は風神・雷神だった。

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中禅寺は東京では余り知られていないお寺だけど、参拝者に開かれたフランクな雰囲気が感じられた。

天邪鬼に会えて大満足だったのだ。