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興福寺 仮講堂・天平乾漆群像展と東金堂・仏頭 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

寺社・仏閣探訪ツアー2017 Vol.02[カメラ]


今年の3月に「阿修羅1300年の新事実」というテレビ特番を見て、興福寺の仮講堂が凄いことになっている事を知った。

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興福寺は現在国宝館の耐震工事で休館中。

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国宝館に安置されていた仏像達は他の場所に移されていて、俺の大好きな修羅像や天燈鬼・龍燈鬼などは仮講堂へ移動になっている。

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また、興福寺のお坊さんの説明では、山田寺の仏頭などは1937年に本尊薬師如来の須弥壇の下から発見された東金堂へ80年ぶりに戻った…つまり元々あった東金堂に戻り、数度の火災を切り抜けた薬師如来の脇侍、日光・月光菩薩とは600年ぶりの再開になったらしい。

仏像ファンとして、これらを見に行かなくて何を見に行くというのか?と行ってみた。

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東京から真っ先に飛び込んだ興福寺北円堂から出た俺は、5月の強い日差しの中南円堂に向かった。

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いつもここに来ると必ず立ち寄るが…手水舎の龍さんに会いに行った。

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龍は相変わらずカッコ良かった!

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南円堂の前では、御朱印を集める人が大勢いた…俺も興味があるけど、俺の性格上全て集めなければ納まらないので自重している。

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藤の花が綺麗で、写真を撮る外国人旅行客でごった返していた。

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猿沢の池を眺めながら一休み。

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東金堂に向かって歩いていると、仏頭の案内が立っていた…久しぶりに維摩居士と文殊菩薩に会おうと思った。

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まず仮講堂で行なわれている阿修羅~天平乾漆群像展に突入した。

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こちらも連休中は観光客で大騒ぎだったと思うが、7日は空いていた。

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仮講堂に進む通路に「阿修羅~天平乾漆群像展」と、奈良国立博物館で開催されている特別展「快慶」と、今年の秋東京上野で開催される特別展「運慶」のスタンプラリーがあったので、ペタンとスタンプを押した。

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そしていよいよ堂内へ…。


一言で言えば問答無用というか、情け容赦の無い4番バッターばかりを並べた凄さを感じた。

観光客への営業的には阿修羅像なんだろうけど、中央の阿弥陀如来に両脇侍の帝釈天と梵天も見事だった。

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何度も国宝館で気合いを入れて見てきた俺には、見慣れた仏像達がいつもとは違う雰囲気の中に立っているのが新鮮だった。

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国宝仏の塊というか、この凄さと豪華さは京都・東寺の立体曼荼羅クラスだが、どこか優しく穏和に感じるのは八部衆の顔が愛らしい子供の姿なのが原因だと思う。

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他の仏像の半分くらいの小さな天燈鬼・龍燈鬼がセンターで張り切っていた!

邪鬼好きの俺は、一世一代の晴れ姿に拍手を送りたい気持ちに駆られていた。

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ちなみに俺は龍燈鬼の首に巻き付いて生意気に威嚇している赤ちゃんドラゴンが好き。

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国宝館が耐震工事で休館になると、建設中の中金堂の後ろにある仮講堂でこれだけの事が出来てしまう…仮講堂ですら凄く立派な建物で、興福寺の底力を感じた。

しかし、仏像一つ一つをよく見ようとするなら、国宝館の配置がベストで、仮講堂の後方にある仏像は遠くてハッキリ見えない。

ただ、興福寺さんも今回の「泣く子も黙る」配置は初めてらしい。

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これだけの国宝仏が集まる超豪華な配置は仏像ファン必見だと思う。

大満足で仮講堂を出て、久しぶりに東金堂へ向かった。


興福寺 2017.05 投稿者 kiyogin





前を歩くお兄さんの着ている興福寺オリジナルの法被がカッコ良い…欲しいが非売品だと思う。

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東金堂に五重塔の景色…この風景を何度仰ぎ見た事か。

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東大寺の大仏殿でも同じ現象が起きるが、巨大な建物に目の遠近感が麻痺する…この風鐸も実物はとんでも無く大きいと思う。

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結構混んでいる堂内に入ると、これもお馴染みの仏像達が目に飛び込んできた。

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薬師如来。

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日光・月光菩薩を中心に、太ってむっちりしている四天王、表情豊かな十二神将達が並ぶ姿は圧巻だ。

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鎌倉時代の慶派仏師、定慶作の文殊菩薩と維摩居士像も素晴らしい。

そして、向かって右端に「白鳳の貴公子」仏頭が安置されていた。

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仏頭さんとは頻繁に会っている気がする…それだけ親しみやすく、覚えやすい顔なんだと思う。

もし火事に遭わなければ、きっと凄い仏像だったと思う。

国宝仏がギューッと圧縮された仮講堂と巨大な東金堂、大満足だったのだ。