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阿修羅~1300年の新事実 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

興福寺が本気出した[exclamation]



仏像で人気の阿修羅像のテレビ番組があったので、有効期限は切れているが、俺もみうらじゅんさんが会長の「阿修羅フアンクラブ」の元会員なので、これは見なければいけないと思った。
 
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番組名は「阿修羅~1300年の新事実」…一体何が判ったのか?とりあえずテレビ画面に張りついた。
 
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番組は、奈良県生駒市で生まれ、美人女優でピアニスト歌手で作曲家で三井住友アセットマネジメントの社長令嬢であらせられる、およそ女性が欲しいと思うモノ全てを手に収めておられる松下奈緒さん。
 
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イケメン俳優でモデルでデザイナーで、俺も良く見ているテレビ番組「日曜美術館」の司会で、円空仏など仏像に造詣の深い井浦新さんと、今回初めて聞いたけど、仏像好きらしい古舘伊知郎さんの3人が、興福寺の阿修羅像の謎に迫る内容だった。
 
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阿修羅像といえば興福寺の国宝館なんだけど、先週放送されたテレビ神奈川の旅情報番組「ええじゃないか。」の興福寺ロケで知ったんだけど、現在興福寺の国宝館は耐震改修工事で休館中になっていた…。
 
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極寒の中、阿修羅像を見るのを楽しみにしていた「ええじゃないか。」司会の堀口文宏さんと萩美香さんもガッカリしておられて凄く気の毒だった…。
 
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しかし「ええじゃないか。」では興福寺の通り一遍の観光スポットでは無く、見過ごし勝ちなマニアックな箇所を丁寧に取材されて寺社探訪マニアには有り難かった。
 
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南円堂の巨大線香の火の付け方まで紹介されていたのは、凄く感じよかった。

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現在、国宝館にあった沢山の仏像達は色んな所にシャッフルされて移動中で、仏頭さんは東金堂へ移されていた。
 
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そして阿修羅像は現在「天平乾漆群像展」が行なわれている仮講堂に6月18日まで移されている。 
 
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という事で、仮講堂は凄いことになっているらしい…既に中に入った仏像ファン達が羨ましい!
 
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良いなぁ~!俺も行きたい!
 
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そんな仮講堂に松下さん、井浦さん、古館さんの3人が入った。
 
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こちらは興福寺の貫首さまがお出迎え…三重テレビ製作の「ええじゃないか。」とは待遇が違いすぎる・・・。
 
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入り口の扉は、去年アメリカから興福寺に戻ってこられたドイツ人のザイレ暁映さんが開けておられた。
 
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3人も驚いておられるご様子で、あの古館さんも大人しかった。 
 
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テレビの画像で見る限り、中央に阿弥陀如来坐像、脇侍に梵天・帝釈天立像、その外側に金剛力士立像の阿吽、その前に阿修羅像を含む乾漆八部衆立像と、乾漆十大弟子立像が入り乱れて立ち並び、四方を囲む四天王立像は中金堂のだと思う。
 
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これ以上は無い素晴らしい配置だと思った。 
 
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阿修羅像も前の方に立っている。
 
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特筆すべきは中央の一番前に置かれた銅造華原磬の左右に俺の大好きな天燈鬼・龍燈鬼が大抜擢されていたのに驚いた! 
 
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こうして一度にドカン!と見せられると、東寺の立体曼荼羅だと余りの迫力に萎縮してしまうんだけど、興福寺の仏像はどこか可愛いというか、フィギア感覚で見れる優しさがあるから威圧感が無い。 

興福寺がちょっと本気出せばこの有様で、期間限定とはいえ興福寺仮講堂が現在日本一の仏像空間なのは間違いない…GWは混雑で凄いことになりそう。
 

阿修羅像は2009年に、博多にある研究所でCTスキャンをかけて内部を徹底的に調査したらしい。
 
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そのデータで3Dプリンターを使って阿修羅像のオリジナルサイズのクローンフィギアを作れば、欲しい人は山のようにいるだろう…馬鹿高い値段の仏像フィギアの弱点は阿修羅像の顔が似ていないことに尽きる。 

これまで荒ぶる神の代表格である阿修羅が手を合わせて合掌しているのは後補ではないか?という説があったりしたが、そういう謎を全て解明していた…左肩の釘が抜けていて脱臼している状態なので合掌の位置が少し像に向かって右側にずれているだけで、最初から合掌していた事を科学的に証明していた。
 
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また、CTスキャンで阿修羅像の原型の時の顔が荒ぶる神の顔だった事や、それが完成時には今の顔になった理由などを推理していた。
 
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番組では背景に光明皇后の影響が大きいと推理していた。
 
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番組が進むにつれ、予想通り前半大人しかった古館さんが総合司会っぽくなって行くのが可笑しかった。
 
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最初から最後まで阿修羅づくしの超贅沢な番組で、大満足だったのだ。