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抜け落ちている部分 [日々のあれこれ]

DTM再始動[TV]


アクセル全開で日々行なっているVHSビデオテープのデジタル化で、色んな「過去」を見ている。

懐かしいテレビCMなどを見ると、その時代の自分を思い出す…過去の自分が在籍したバンド達のビデオとなると、それをやっていた当時の事を思い出す…「過去の自分に戻る」現象が起きる。

俺は記憶力には自信があるが、それでももう時間が経ちすぎて忘れているモノに関しては「過去の自分に戻る」現象が起きず、古いモノになると他人のバンドって感覚になる。

そうなると、冷静にそのバンドの評価をしてしまう…演奏や曲の評価とかになるんだけど、そういうのが、当時の我々を見に来てくれていた人達の評価と似ているんだろうなと思っている。

1人のリスナーとして、過去の自分を評価してしまうんだけど、そういうのを見ているうちに、少しずつ記憶から消えていた抜け落ちていた部分が蘇ってくる。

そのギャップが凄く面白い。

今職場で10年以上前に見ていたアニメの登場人物に対しての質問合戦が続いている…「銀河英雄伝説で惑星フェザーンの自治領主とその愛人、息子の名前をそれぞれ述べよ」とかの問題が出されると、ナカナカ出てこない。

それでも俺の出した「ヤン・ウエンリーの幼なじみだったフェザーン商人でユリアンを地球に運んだ人は?」というと、隣に座っているNさんは「ボリス・コーネフ船長」と即答する。

銀河英雄伝説よりもっと前の記憶になると、思い出せないことの方が多くなる。


家電のビデオカメラが出始めた時期に、当時参加していたバンドの映像を見たが、ギターサウンドが悪かった。

月に数度の頻度でライブを行なうバンドに在籍する1人のギター弾きが、ある期間に出来る作業量の限界というのがあるとすれば、そのエネルギーの大半はライブに使ってしまう。

しかも、ライブの中身より、ギターアンプなどの機材を扱う事に頭脳の大半を割かれてしまう。

なんでそんなに音作りが難しかったのか?

今となって判る事なんだけど、当時の俺はアンプヘッドとキャビネットの間に音量を下げるアッテネーターなんて便利なのが存在する事すら知らなかったので、音量の問題でヘッドをドライブさせきれない状態で音を作るのは至難の業だった。

今のアンプはプリ部で歪ませるのが一般的だけど、昔のMarshalはパワー部で歪ませるので、アンプをドライブさせる為に音量を上げると爆音になってしまい、バランスを取るのが厄介だった…だからマスターボリュームというのが付いたJCM-800が出た時から、不要に入力ゲインを上げて負荷を掛ける必要が無くなったので、エフェクターペダルもオーバードライブからディストーションに変わった。

当時は判らない事は、今なら誰でもネットで即理想的な回答が得られるが、昔は判っている人は自分だけの企業秘密で教えてくれない、情報が圧倒的に不足している時代だった。

今はそういう機材やアンプで「過去に苦労した問題」は、ネットの情報以前に「技術の進歩」で全て解決されているので調べる必要も無くなっている。

だから、気むずかしいアンプしか存在しなかった過去の自分に取り憑いていた「自分の努力では攻略出来ない足かせ」が無ければ、どんな事をやったんだろうか?と考えるが…それが今なんだと気がついた。

今はDTMにボーカロイドまであるから、その気になれば音源の全てを自分だけで完結出来てしまう。

過去のビデオを見て、今の有り難さを再確認できた…これから始めるなら厄介だけど、俺は既に全て持ってる。
 
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今年はDTMに再挑戦なのだ。