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興福寺特別公開 2016 [寺社・城・仏像・ミュージアム]

五重塔と三重塔の初層特別公開[カメラ]



今回の仏像探訪の最大の目的、興福寺の特別展。
 
 

興福寺は710年の平城京遷都の時に飛鳥から移建され「興福寺」と名付けられた。

国宝の五重塔と三重塔の両方があるのは全国でも興福寺だけで、三重塔は寺内最古の建造物。

五重塔の公開は6年ぶり、三重塔の公開は毎年7月7日の法要の際に1日だけ中を公開しているだけなので、2つ同時の公開は1300年にわたる歴史の中で初めて。

これに行かないでどこにいくのか?という事で、興福寺に向かった。


バスに乗って近鉄学園前駅に到着。
 
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通勤時間後だったので駅周辺は静まりかえっていた。
 
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駅に貼られていた観光ポスター。
 
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良いなぁ~奈良在住の人は…大台ヶ原に日帰りって凄い!

奈良行きの列車に乗る。
 
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万葉集にも詠われた佐保川を渡ると…
 
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平城宮跡の大極殿が見えてくる。
 
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遷都1300年祭に建てられ、その後壊す予定だったが現在は逆に平城京を復元するらしく、近隣にある近鉄西大寺駅や新大宮駅は地下駅になり国営公園にする計画らしい。 

京都に比べ地味だった奈良だけど、京都は今立っている寺社仏閣は主に平安京以後のモノで、全て歴史的にハッキリしているモノばかりだけど、奈良はこれから発掘した結果で歴史が変わる「伸びしろ」を持っている。

京都は今あるものが全てだけど、奈良が本気出せば大和朝廷より過去に遡れる。

是非俺が生きている間に立派な公園が完成して欲しい。
 
 
 
近鉄奈良駅に到着。

奈良総合観光案内所には「しかまろくん」のポスターが沢山貼られていた。
 
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とても珍しいしかまろくんの後ろ姿!
 
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日本でココだけの「超限定奈良っとプリ」のプリクラ機があった。
 
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リオ・オリンピックでメダル獲得!おめでとうございます!
 
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奈良県大芸術祭というのが行われていて、奈良県中で色々イベントが行われているらしい…やはり観光シーズンに来ると活気がある。
 
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前回来たときは工事中だった行基像周辺。
 
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行基像の背景は、リニア誘致のポスター。
 
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まだ開店準備で忙しい「ひがしむき」を歩く。
 
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しかまろくんだ!
 
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何やら珍しいのが展示されていたので撮影。
 
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三条通に出た。
 
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猿沢池。
 
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興福寺に到着。
 
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大好きな興福寺南円堂の手水舎にいる竜君に挨拶。
 
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竜の背後から見える景色を撮影…この竜は何年間この景色を見続けてきたんだろうか…。
 
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特別公開のチケットを買いに行く…購入時、合い言葉を言えば粗品がもらえるのを忘れてしまった…。
 
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昔から五重塔の中には何があるのか、入ってみたかった。
 
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五重塔は、明治初頭の廃仏毀釈令で興福寺は廃寺同然になり、そして五重塔は「25円」、現在の価値にして50万~60万円で売りに出された。
 
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買主が現れたが採算が取れないので壊すのを諦めたらしい…文化大革命で全部燃やしてしまった中国人と余り変わらないが、紙一重で残って良かった!
 
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日本で2番目に大きい五重塔だけあって中は意外に広く、南面に釈迦三尊像、西面に阿弥陀三尊像、北面に弥勒三尊像、東面に薬師三尊像が安置されており、床下の一部が開けられ、花崗岩に立つ心柱を見ることができた。
 
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仏像は想像以上の出来で、通常非公開だけあって痛みも少なく「精巧」さが目立った。
 
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堂内撮影禁止のためネットより拝借 
 
 
 
平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像の光背の様に、上部が前方に曲がっているのが印象的だった。

南面の釈迦三尊像の釈迦如来座像の脇侍、普賢菩薩座像は東寺にある帝釈天と同じ象さんに乗っていて、文殊菩薩座像の方は獅子に乗っており、何も判らないんだけど、密教的なモノを感じた。

空いてはいなかったが、激混みでも無く、落ち着いて納得いくまで見れて良かった。

俺は、日本で一番大きな京都の東寺の五重塔の特別公開も入っているが、遜色無い程のボリュームだった。



そしていよいよ大好きな三重塔に向かった。
 
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南都焼討で焼失し鎌倉時代初期に再建された三重塔は、興福寺では北円堂と並び最古の建造物で、五重塔の半分以下の大きさ。
 
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初層には弁財天と、極彩色で彩られた4千体の「千体仏」が描かれているが、風化が激しかった。
 
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ネットより画像拝借
 
 

興福寺の塔は法隆寺と違って、かなり手前から柵があるので間近まで近づけなかったので、柵の中に入れるだけでも夢が叶った。
 

納得して、北円堂の前を通り
 
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再び南円堂へ。
 
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本尊の康慶作国宝不空羂索観音菩薩坐像は特別公開で拝観した事がある。



そして国宝館へ。
 
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「白鳳の貴公子」山田寺の仏頭、人気の阿修羅像、頭が鳥で体は人間の迦楼羅像、大好きな庚弁作の天燈鬼・龍燈鬼にも会ってきた。
 
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外の木陰で缶コーヒーを飲みながら、修学旅行の観光バスの合間を狙って入館したんだけど、作戦通り館内は空いていて真夏日の外と違って冷房が効いていて静かに見て回れた。

驚いたのが乾漆八部衆立像が並ぶ場所で、俺の先を若いカップルが歩いていて、俺は彼らに歩調を合わせて歩いていた。

一つ一つの仏像を、手前にある紹介文を熱心に読みながら歩いている…。

やがて彼らは阿修羅像の前に差し掛かったんだけど、何故か立ち止まらず素通りした。

俺は逆に長い間粘られると思っていたので、彼らの分までゆっくり阿修羅像を独占できた…興福寺の国宝館で阿修羅像を見ずに出る人がいるとは思わなかったので驚いた。


今回の特別公開で、俺の興福寺攻略の残りは「北円堂」だけになった。

大満足の興福寺だったのだ。